セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 50:膵頭部癌術後化学療法施行中に発症した肝転移に対してS-1が著効した一例 |
演者 | 廣田 悠祐(千葉県立佐原病院) |
共同演者 | 小林 進(千葉県立佐原病院), 岡田 正(千葉県立佐原病院), 高山 亘(千葉県立佐原病院), 角田 慎輔(千葉県立佐原病院), 黄 哲守(千葉県立佐原病院), 有光 秀仁(千葉県立佐原病院), 柳橋 浩男(千葉県立佐原病院), 中堀 進(千葉県立佐原病院), 越川 淳也(千葉県立佐原病院), 小川 恭秀(千葉県立佐原病院), 山崎 正子(千葉県立佐原病院) |
抄録 | 【緒言】膵癌は根治切除が可能であった例でも早期に再発し,その予後は極めて不良であるため,術後補助療法による予後の改善が期待され検討が行われている.今回我々は,膵切除後に補助療法として塩酸ゲムシタビン(GEM)を投与していたが,3年後に肝転移を生じた症例に対し,テガフル・ギメラシル・オテラシルK(S-1)経口化学療法によって腫瘍の消失した症例を経験したのでここに報告する.【症例】60歳,女性.既往歴,家族歴に特記事項なし.【経過】平成16年8月に嘔気,尿濃染を自覚.8月26日の血液検査にて肝・胆道系異常を認めた.同日の腹部エコー・CTで膵頭部癌による胆管閉塞と診断.9月7日に幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を行った.11月18日より術後化学療法としてGEM1300mg(1000mg/m2)を1投1休(1クール2週間)で開始した.平成19年9月13日までGEMの投薬は継続されたが,その間画像所見や検査所見に著明な変化はなく,経過良好だった.9月20日のCT検査において肝左葉内側区域に径20mm×20mmの腫瘤を認め,膵頭部癌の術後肝転移と診断.10月1日よりTS-1 80mg/m2の投与を2投2休(1クール4週間)で開始.12月6日のCT検査における腫瘤径は16mm×6mmに縮小し,平成20年3月19日のCT検査では腫瘤の消失がみられた.平成21年1月現在もS-1の投与を継続しており,又,CT上腫瘍の再発を認めず,外来通院中である.【結語】膵癌切除後に施行される補助療法に関して,本邦を含め未だ世界的にコンセンサスの得られたものはない.2001年より保険適応が認められたGEMに比べるとS-1の歴史は浅いが,補助療法開始に際して何れかの選択もしくは併用に関して益々の研究の余地があると考えさせられた一例であった. |
索引用語 | 膵癌, S-1 |