セッション情報 一般演題

タイトル 53:

Malignant potentialの診断に苦慮した非機能性膵内分泌腫瘍の1例

演者 信太 昭子(武蔵村山病院 外科)
共同演者 柳原 正智(武蔵村山病院 外科), 芦澤 敏(武蔵村山病院 外科), 鈴木 敬二(武蔵村山病院 外科), 澤辺 暁人(武蔵村山病院 消化器科), 久保 幸祐(武蔵村山病院 消化器科), 高橋 毅(武蔵村山病院 外科), 桑尾 定仁(東大和病院 病理)
抄録 症例は、諸検査にて石灰化を伴う膵腫瘍の胃浸潤が疑われた42歳女性。学童期に入院を要する程の2度の腹部打撲の既往がある。膵癌、膵内分泌腫瘍、外傷性石灰化腫瘤などの鑑別が困難であるため手術を行った。腸間膜に散在する結節性病変の迅速病理で、内分泌組織類似の組織構築とアミロイド様物質の沈着がみられ、これらを転移巣と判断した場合、islet cell carcinomaも否定できず、原発巣切除を行った。術後の病理診断で、腫瘍は非機能性膵内分泌腫瘍で、核分裂像を認めず、胃への浸潤は炎症性であり、リンパ節転移(-)、以上より良性腫瘍と診断した。結節性病変が播種性病変であるならば、低悪性度と考えられるが、外傷にて偶然に散布されたならば、良性腫瘍と考えられる。外傷機転からの長い経過を考えると、この可能性は低いと思われるが、腫瘍の組織像から腹膜播種をおこす可能性も低く、病理組織学的診断にも苦慮した一例であった。
索引用語 膵内分泌腫瘍, Malignant potential