セッション情報 一般演題

タイトル 65:

EBウイルス感染症に合併した胃潰瘍、小脳失調の一例

演者 松崎 素子(慶応義塾大学 医学部 消化器内科)
共同演者 筋野 智久(慶応義塾大学 医学部 消化器内科), 遠山 周吾(慶応義塾大学 医学部 消化器内科), 酒井 元(慶応義塾大学 医学部 消化器内科), 相馬 宏光(慶応義塾大学 医学部 消化器内科), 高山 哲朗(慶応義塾大学 医学部 消化器内科), 細江 直樹(慶応義塾大学 医学部 消化器内科), 海老沼 浩利(慶応義塾大学 医学部 消化器内科), 岡本 晋(慶応義塾大学 医学部 消化器内科), 今枝 博之(慶応義塾大学 医学部 消化器内科), 林 雄一郎(慶応義塾大学病院 病理診断部), 向井 萬起男(慶応義塾大学病院 病理診断部), 日比 紀文(慶応義塾大学 医学部 消化器内科)
抄録 37歳.男性.生来健康.2008年12月感冒様症状認め,2009年1月13日症状改善せず近医受診しAST 50 IU/l, ALT 40 IU/lと軽度肝酵素上昇,異型リンパ球認め,腹部エコーにて肝脾腫を指摘されたため,1月23日当院紹介受診した.また1月26日より歩行時ふらつきを自覚していた.1月28日 上部消化管内視鏡施行したところ,胃前底部後壁及び、角部小彎後壁に軽度の辺縁隆起を伴う不整潰瘍(H1 stage)を認めた.その後タール便,意識消失で来院し再度上部消化管内視鏡を施行し,前回生検部クリッピング施行の上,当科入院となった.血液検査にてEBNA(-),EB-VCAIgM(+)よりEBウイルス初感染と診断された.胃潰瘍部生検の病理検査では,大型のリンパ球細胞を認め,リンパ腫も鑑別にあがったが,その後の特染にてEBER陽性と判明したため,EBウイルス感染症に併発した胃潰瘍と考えられた.その後タール便,貧血の進行は認められず,内視鏡所検も潰瘍部の改善所見を認めた.ふらつきの原因は髄液,頭部MRI所見では異常なくEBウイルスによる小脳失調症と診断された.EBウイルス感染症に合併した胃潰瘍は報告が少なく,内視鏡的肉眼所見,病理所見上リンパ腫を疑わせる所見を呈することが多く文献的な考察を含めて報告する.
索引用語 EBウイルス, 胃潰瘍