セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
68:Humoral hypercalcemia of malignancyを合併した胃低分化腺癌の1例
|
演者 |
黒木 悟郎(総合病院国保旭中央病院) |
共同演者 |
紫村 治久(総合病院国保旭中央病院), 志村 謙次(総合病院国保旭中央病院) |
抄録 |
症例は33歳の男性。高Ca血症による意識障害を契機に33歳という若年で進行胃癌(T4M2N0 StageIV)が発見された一例である。今まで無症状で胃癌と気づかれず経過していた。入院時補正Ca=15.8mg/dl でGCS E4V4M6と意識障害を認めた。入院後の輸液とカルシトニン、ビスホスホネート、プレドニゾロンで治療し高Ca血症は補正値8.6mEq/lとなり高Ca血症は改善した。 de Boer OJらは(J Pathol 1997;182:174-179) PTHrPが癌の進行に重要な役割を果たしているとし、胃癌の予後不良の指標としている。この症例ではPTHrPが15.4pmol/lと高値を示した。この症例は予後不良と予測され結果的に死亡の経過を辿った。 悪性腫瘍に合併する高カルシウム血症は腫瘍随伴症候群としてよく知られその原因は副甲状腺ホルモン関連蛋白(parathyroid hormone-related protein :PTHrP)の過剰産生によるhumoral hypercalcemia of malignancy(HHM)が大多数を占めている。HHMを生じる悪性腫瘍は、食道、肺、乳腺、頭頚部が多く、胃癌の報告例は少ない。今回我々はHumoral hypercalcemia of malignancyを合併した胃低分化腺癌の1例を経験し、貴重な症例と考え報告する。 |
索引用語 |
Humoral hypercalcemia of malignancy, 進行胃癌 |