セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
48:Sister Mary Joseph’s Nodule (SMJN)を認めた膵尾部癌の1例
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演者 |
白井 雄史(谷津保健病院 外科) |
共同演者 |
宮崎 正二郎(谷津保健病院 外科), 向後 正幸(谷津保健病院 外科), 杉木 孝章(谷津保健病院 外科), 長尾 深幸(谷津保健病院 外科), 糟谷 忍(谷津保健病院 外科) |
抄録 |
症例は78歳女性、悪性腫瘍の既往歴はない。2008年9月5mmの臍部皮疹を認め、増悪傾向のため皮膚科を受診し生検が施行された。同時期に健診目的の採血にて軽度の肝機能障害およびHbA1cの上昇が認められ、精査目的に当院へ紹介受診となった。前医での皮膚生検の結果はAdenocarcinomaの診断であった。当院初診時の身体所見では右腋窩及び左鼠径部に腫大したリンパ節を触知し、左下腹部・右前胸部・臍部には皮疹が認められた。採血上CEA:170ng/ml、CA19-9:9340U/ml、DUPAN-2:1696U/mlおよびSPAN-1:5101U/mlと異常高値を認め、腹部超音波検査及びCT検査にて膵尾部に65mm大の腫瘍が認められた。以上より膵尾部癌、多発リンパ節転移、皮膚転移と診断した。悪性腫瘍の皮膚転移のうち特に臍部転移はSister Mary Joseph’s Nodule (SMJN)と呼ばれている。Mayo clinicの前身のSt.Mary’s Hospitalの看護師のMary Josephが臍部に結節のある胃癌患者の予後が非常に悪いと医師へ進言したのが始まりといわれている。報告されているSMJN症例のうち約50%は臍部腫瘤を契機に内臓悪性腫瘍が発見され、その予後は平均約11ヶ月と非常に不良であると報告されている。本症例も臍部腫瘤を契機として膵尾部癌が発見され、現在TS-1 +ジェムザールによる化学療法を継続中であるが、皮疹出現時より5ヶ月経過し皮疹及びリンパ節の若干の縮小傾向を認めている。今回我々は悪性腫瘍の臍部転移であるSister Mary Joseph’s Nodule (SMJN)が診断の契機となった膵尾部癌の1例を経験したので報告した。 |
索引用語 |
膵尾部癌, 臍部転移 |