セッション情報 一般演題

タイトル 32:

虚血性腸炎に続発した細菌性肝膿瘍の一例

演者 中村 文彦(全国土木建築国民健康保険組合総合病院 厚生中央病院 消化器内科)
共同演者 佐々木 隼人(全国土木建築国民健康保険組合総合病院 厚生中央病院 消化器内科), 中西 真規(全国土木建築国民健康保険組合総合病院 厚生中央病院 消化器内科), 松浦 良徳(全国土木建築国民健康保険組合総合病院 厚生中央病院 消化器内科), 須田 浩晃(全国土木建築国民健康保険組合総合病院 厚生中央病院 消化器内科), 服部 克哉(全国土木建築国民健康保険組合総合病院 厚生中央病院 消化器内科), 樋口 良太(全国土木建築国民健康保険組合総合病院 厚生中央病院 消化器内科), 剛崎 寛徳(全国土木建築国民健康保険組合総合病院 厚生中央病院 消化器内科)
抄録 2008年7月,大腸内視鏡前処置で内服したピコスルファートナトリウムが原因と考えられる虚血性腸炎を発症した.約1ヶ月の保存的治療で軽快した.2ヶ月後,38℃台の発熱の為,当院総合内科を受診した.MINO(200mg/日)を内服したが,効果なく,右季肋部痛も認める様になり,当科を受診した.右季肋部圧痛に加え,血液検査で,著明な炎症反応(WBC 7400/μl,CRP 20.1mg/dl)及び肝胆道系酵素値の上昇を認めた.また,腹部造影CTで,肝S4に約5cmの辺縁に造影効果を示す内部均一な低吸収域を認めた.腹部超音波では,同病変は,約4×3.5cmの隔壁を伴う境界明瞭な低エコー域として描出された.
以上から肝膿瘍と診断し,経皮的膿瘍ドレナージ術ならびに抗生剤(MEPM 2g/日)投与を開始した.尚,黄色膿性排液から,E.coliが検出された.
臨床症状及び炎症反応の改善を認め,入院20日目に退院となった.
本例は,緩下剤が原因と考えられる虚血性腸炎を発症した事,また経過中に肝膿瘍を併発した点で,稀な症例と考えられた.文献的考察を含め,報告する.
索引用語 肝膿瘍, 虚血性腸炎