セッション情報 一般演題

タイトル 23:

集学的治療により奏効が得られた肝細胞癌の1例

演者 奥脇 裕介(北里大学東病院 消化器内科)
共同演者 中澤 貴秀(北里大学東病院 消化器内科), 田中 賢明(北里大学東病院 消化器内科), 高田 樹一(北里大学東病院 消化器内科), 渡邊 真彰(北里大学東病院 消化器内科), 日高 央(北里大学東病院 消化器内科), 渋谷 明隆(北里大学東病院 消化器内科), 國分 茂博(順天堂大学医学部附属練馬病院 消化器内科), 西元寺 克禮(北里大学東病院 消化器内科)
抄録 症例は、74歳女性。C型肝硬変にて経過観察中、2004年4月肝S6に3cm大の肝細胞癌(HCC)が初発、当院紹介となりラジオ波熱凝固療法(RFA)施行。2005年2月肝S6、S7にそれぞれ1cm大の異所再発を認めRFA施行。2005年9月、1回目のS6のRFA後焼灼域の頭側辺縁に局所再発を認めRFA施行。2006年7月2回目のS7のRFA後焼灼域の頭側辺縁横隔膜下に局所再発を認めた。超音波にて描出困難、また肺術後にて人工胸水使用不可にて肝動脈塞栓術(TAE)施行した。その後再発なく経過していたが、2007年12月門脈右枝に腫瘍栓を伴い肝右葉にびまん性に広がるHCCの再発及び右肺上葉に単発の肺転移巣を認めた。腫瘍栓の栄養血管に対し選択的なTAEが施行し得、及び肝右葉に(経動脈抗癌剤注入)TAIを行った。術後のCTでは腫瘍栓にもリピオドールの集積が認められた。残存する腫瘍栓および肝内病変に対し再度追加治療を試みたが腫瘍栓の栄養血管への選択的なTAEが困難であり、右葉へのTAIのみとなった。これ以上の腫瘍栓に対するアプローチは同治療では困難と判断、残存腫瘍栓合併HCCに対し肝右葉切除及び門脈合併切除施行、更に肺転移巣に対し放射線治療を行った。その後は再発無く、現在生存中である。繰り返す再発及び腫瘍栓合併HCCに対し集学的治療を行い奏効が得られた長期生存症例であり、報告する。
索引用語 肝細胞癌, 治療