セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 41:C型慢性肝炎および硬化性胆管炎を背景に発症し特異な経過をとった胆管細胞癌の一例 |
演者 | 京原 麻由(横浜市立大学附属病院消化器内科) |
共同演者 | 小林 規俊(横浜市立大学附属病院消化器内科), 窪田 賢輔(横浜市立大学附属病院消化器内科), 加藤 真吾(横浜市立大学附属病院消化器内科), 内山 崇(横浜市立大学附属病院消化器内科), 飯田 洋(横浜市立大学附属病院消化器内科), 馬渡 弘典(横浜市立大学附属病院消化器内科), 細野 邦広(横浜市立大学附属病院消化器内科), 遠藤 宏樹(横浜市立大学附属病院消化器内科), 野崎 雄一(横浜市立大学附属病院消化器内科), 米田 恭子(横浜市立大学附属病院消化器内科), 秋山 智之(横浜市立大学附属病院消化器内科), 藤田 浩司(横浜市立大学附属病院消化器内科), 米田 正人(横浜市立大学附属病院消化器内科), 高橋 宏和(横浜市立大学附属病院消化器内科), 阿部 泰伸(横浜市立大学附属病院消化器内科), 稲森 正彦(横浜市立大学附属病院消化器内科), 桐越 博之(横浜市立大学附属病院消化器内科), 斉藤 聡(横浜市立大学附属病院消化器内科), 中島 淳(横浜市立大学附属病院消化器内科) |
抄録 | 【症例】59歳 男性【主訴】繰り返す腹痛、発熱【現病歴】1990年腹痛、黄疸で都内の大学病院に入院、原発性硬化性胆管炎疑いと診断されその後近医フォローされていた。2007年4月繰り返す発熱、腹痛を主訴に、精査目的で当科紹介となった。【既往歴】17歳:虫垂炎(手術) 57歳:Buerger病疑い、慢性C型肝炎【家族歴】母:高血圧【嗜好歴】飲酒:なし 喫煙:なし【初診時現症】身長156cm、体重44kg、眼瞼結膜貧血なし、眼球結膜黄疸なし、腹部は平坦、軟、肝腎脾その他腫瘤触知せず。入院時検査所見では、T-bil 0.5、AST 21、ALT 25、ALP 411、γ-GTP 75、CRP 0.25、WBC 4500、Hb 13.2、Plt 34.2、IgG 1978、IgG4 125、ANA 40倍、AMA(-)、MPO-ANCA<10、HBsAg(-) 、HCVAb(+)、腫瘍マーカーはCEA 0.9、CA19-9 45であった。【初診時画像所見及び経過】腹部CTでは肝左葉の腫大と肝内胆管の拡張および壁肥厚を認めた。また、上腸間膜動脈および腹部大動脈周囲に軟部組織濃度を認めた。ERCPでは肝内外胆管の口径不整を認め、MRCPでも同様の所見を認めた。IDUSでは胆管の壁肥厚像を認めた。以上の所見より、硬化性胆管炎、後腹膜線維症の診断で当科フォローとなった。2008年4月IgG4 147と上昇、IgG4関連胆管炎の診断でステロイド投与を行ったが、胆管硬化像、後腹膜線維症の改善は認めなかった。また同年5月CA19-9 100と上昇、PETでは異常集積を認めなかった。同年10月嘔吐を主訴に入院。腹部CTにて胃の著明な拡張を伴う十二指腸狭窄と門脈右枝の血栓を認めた。抗凝固療法にて血栓の改善はみとめられたが、十二指腸狭窄は、内視鏡的治療でも困難であったため、同年12月胃空腸吻合術施行した。開腹にて白色結節が肝外側区を中心に肝表面に露出し十二指腸球部にまで浸潤しており生検の結果Adenocarcinomaであった。術後食事摂取は良好となり、2009年3月現在全身化学療法施行中である。【考察】C型慢性肝炎、硬化性胆管炎を背景として発症した胆管細胞癌の一例を経験した。特異な臨床経過を含め報告する。 |
索引用語 | 胆管細胞癌, 硬化性胆管炎 |