セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 73:術前EUSおよびSonazoid造影超音波検査が方針決定に有用であった胃GISTの1例 |
演者 | 山下 真幸(武蔵野赤十字病院消化器科) |
共同演者 | 中西 裕之(武蔵野赤十字病院消化器科), 玉城 信治(武蔵野赤十字病院消化器科), 平山 慈子(武蔵野赤十字病院消化器科), 田中 智大(武蔵野赤十字病院消化器科), 安井 豊(武蔵野赤十字病院消化器科), 佐藤 光明(武蔵野赤十字病院消化器科), 上田 研(武蔵野赤十字病院消化器科), 葛谷 貞二(武蔵野赤十字病院消化器科), 土谷 薫(武蔵野赤十字病院消化器科), 板倉 潤(武蔵野赤十字病院消化器科), 高橋 有香(武蔵野赤十字病院消化器科), 朝比奈 靖浩(武蔵野赤十字病院消化器科), 黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院消化器科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院消化器科) |
抄録 | 【症例】66歳女性【入院理由】胃SMT精査【既往歴】60歳 右皮質下出血後左半身不全麻痺、症候性てんかん55歳 原発性アルドステロン症、高血圧 【家族歴】特記事項なし【生活歴】飲酒歴なし 喫煙歴なし【現病歴】1997年より原発性アルドステロン症にて当院内分泌科通院中、1998年8月スクリーニングの胃内視鏡検査にて体下部大弯に3cmの粘膜下腫瘍を認め、超音波内視鏡上、粘膜下層を主座とする内部均一な低エコーを呈する腫瘤を認めた。2000年2月胃内視鏡検査で大きさ不変であった。その後自己判断で通院中止。2007年8月痔核出血にて外科受診の際にfollow upの胃内視鏡検査を施行しSMTは径4cmと増大を認め、精査加療目的に同年11月12日当科入院となった。【入院時身体所見】身長149cm , 体重 41kg , 左半身不全麻痺を認めた。【入院時検査所見】特記すべき異常なし【入院時画像所見】CTにて胃体下部に径4cmのhypervascular tumorを認めた。胃内視鏡にて体下部大彎前壁寄りに径5cm程のSMTを認めた。超音波内視鏡にて腫瘍は粘膜下層を主座としているものと考えられ、筋層との固着部分は僅かにとどまるものと考えられた。Sonazoid造影超音波でSMTは皮膜及び内部に豊富な血流を伴い、太い栄養血管が1本胃壁を貫いて腫瘍に入るのが確認された。造影超音波所見を検討した結果、粘膜切開直視下生検法はriskが高いと判断し、EUS-FNAを施行したが、十分な検体が得られず確定診断に至らなかった。外科手術は拒否され、Informed consentの結果、腫瘍はほとんどが粘膜下層にあり、太い栄養血管に注意すれば安全にESD可能と判断されることから、診断と治療を兼ねて2007年12月5日ESDを施行した。腫瘍は粘膜下層を主座とし、筋層と一部固着していた。切除標本は40×36×27mmのSMTで、Cut end(-)であり、一括切除し得た。免疫染色の結果、c-kit陽性、CD34陽性、α-SMA陰性、ビメンチン陽性、S-100陰性、デスミン陰性であることが判明した。細胞分裂は少なく、low gradeの胃GISTと診断した。治療後約1週間で経過良好により退院した。今回、Sonazid造影超音波所見が、検査および治療方針決定に有用であった胃GISTの1例を経験したので報告する。 |
索引用語 | GIST, ソナゾイド |