セッション情報 一般演題

タイトル 58:

外来化学療法でCRとなった進行食道癌の一例

演者 梅澤 まり子(日本医科大学 消化器内科)
共同演者 河越 哲郎(日本医科大学 消化器内科), 川見 典之(日本医科大学 消化器内科), 名児耶 浩幸(日本医科大学 消化器内科), 小林 剛(日本医科大学 消化器内科), 瀬尾 継彦(日本医科大学 消化器内科), 佐野 弘仁(日本医科大学 消化器内科), 田中 由理子(日本医科大学 消化器内科), 琴寄 誠(日本医科大学 消化器内科), 岩切 勝彦(日本医科大学 消化器内科), 星原 芳雄(日本医科大学 消化器内科), 坂本 長逸(日本医科大学 消化器内科)
抄録 症例は50歳、男性。H18年5月より嗄声出現、近医耳鼻科受診し右反回神経麻痺認めた。当科で上部消化管内視鏡施行したところ切歯31~33cmに2型の腫瘍認め生検でSCCの食道癌と診断した。気管支鏡で壁外より浸潤した腫瘍認め、CTでは上縦隔リンパ節腫大(φ約4cm)を認めT4,N1,M0,stageIVaであった。治療は手術不可、根治的CRTを7月より開始した。化学療法のregimenは当科では1st lineとして5FU500mg/m2/day day1-5、LV20mg/m2/ day day1-5、CDGP15mg/m2/day day1-5を1コースとし入院にて投与、28day周期で施行しており本症例もこのregimenを使用した。放射線はtatal 60Gyを照射した。2コース終了時点で原発巣は隆起性病変がほぼ消失、リンパ節も50%以上の縮小効果を示しPRと判断した。この後本人より仕事の都合で入院治療ができず、外来治療の強い希望があった。当院では手術後の再発予防目的、あるいは入院拒否例に対しdocetaxel30mg/m2/day day1、CDGP30mg/m2/day day1、2W間隔投与のregimenを使用しており、入院治療に引き続いて外来にてこのregimenを開始した。約1年外来化学療法継続しH19年9月CRと判定した。しかしH19年12月のCT、PETで左下肺に転移再発した(食道内に腫瘍は認めず)。H20年1月より再び入院のregimen使用し5FU、LV、CDGPを28day周期で投与、H21年1月の時点で食道内の腫瘍再発なく肺の転移巣も増大なくNCを保っている。食道癌の化学療法は一般的に5FU、CDDPを使用している施設が多いが入院による投与が原則である。当施設でも入院による投与が基本だが再発予防あるいは入院拒否例に対し外来regimenによる化学療法を施行している。本症例は気管浸潤ありstageIVaであったが、外来化学療法を約1年継続し一旦CRとなり、仕事や日常生活に支障なく治療を継続できた貴重な症例といえる。若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 食道癌, 化学療法