セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 3:50代の女性に発症した重症型の急性EBウイルス肝炎の一例 |
演者 | 田中 翔子(横浜南共済病院 消化器内科) |
共同演者 | 岡部 尚子(横浜南共済病院 消化器内科), 國司 洋佑(横浜南共済病院 消化器内科), 石井 寛裕(横浜南共済病院 消化器内科), 京 里佳(横浜南共済病院 消化器内科), 小谷 祥仁(横浜南共済病院 消化器内科), 岡 裕之(横浜南共済病院 消化器内科), 洲崎 文男(横浜南共済病院 消化器内科), 河野 尚美(横浜南共済病院 病理検査部), 荒田 慎寿(横浜市立大学市民総合医療センター 救命救急センター) |
抄録 | 中高年女性のEBウィルス肝炎は比較的まれであり、抗体価が判明するまで診断に苦慮した重症型の一例を経験したので報告する。【症例】54歳女性【既往歴・家族歴】特記すべきことなし【現病歴】平成21年11月発熱のため市販の総合感冒薬を服用した。3日後に黄疸に気付いたが経過を見ており、改善がないため第15病日に当施設を初診した。【現症】体温36.8度、意識清明、眼球結膜、皮膚に黄疸を認めた。腹部は平坦、軟で圧痛はなく肝を3横指触知した。【検査所見】AST101 U/l、ALT26 U/l、ALP709 IU/l、γ-GTP 66IU/l、T-Bil23.2mg/dl 、PT-INR1.64 、APTT41.8秒、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、IgM-HA抗体陰性であった。腹部CT検査で肝は不均一に造影され、脾腫と中等量の腹水を認めた。EBNA IgGは0.6 、VCA IgM 4.3、VCA IgG 7.6であることが後に判明した。【経過】原因不明の肝炎で劇症化の可能性を考慮して横浜市立大学市民総合医療センター高度救命救急センターへ治療を依頼した。同院での対症療法で腹水や肝障害は改善傾向となり第28病日に当院へ再転院となった。再入院時の血中EBウィルスDNAは陽性で肝生検では肝細胞の広範な脱落とリンパ球主体の慢性炎症細胞浸潤を認めた。利尿剤投与などの対症療法で腹水は消失しT-Bilも5.8mg/dlまで低下したため第60病日に退院した。 |
索引用語 | EBV, 急性肝炎 |