セッション情報 一般演題

タイトル 7:

PEG-IFNα2aとスタチンの併用により、早期に血中ウイルス濃度が低下したC型慢性肝炎の一例

演者 中川 元希(関東労災病院 消化器内科)
共同演者 佐藤 譲(関東労災病院 消化器内科), 岩田 朋之(関東労災病院 消化器内科), 金子 麗奈(関東労災病院 消化器内科), 安 泰善(関東労災病院 消化器内科), 草柳 聡(関東労災病院 消化器内科), 上砂 敏之(関東労災病院 消化器内科), 梅田 知幸(関東労災病院 消化器内科), 小川 正純(関東労災病院 消化器内科)
抄録 症例は61歳、女性。以前よりC型慢性肝炎を指摘されており、1995年にIFNαを投与されていたが、その後は自己中断していた。2003年12月に肝炎フォロー目的に当科初診。セロタイプ1型、高ウイルス量のC型慢性肝炎に対して、2004年6月よりIFNα2b+RBV併用療法を48週間投与およびシンバスタチンを併用した。HCV-RNAは投与開始20週後に測定感度以下となった。しかしSVRには至らずその後再燃した。続いて、2006年6月よりPEG-IFNα2b+RBV併用療法を48週間投与し、引き続きPEG-IFNα2aを24週追加した。HCV-RNAは投与開始20週後に測定感度以下となった。しかしSVRには至らずその後再燃した。続いて、2008年7月より肝庇護目的にPEG-IFNα2aを開始し、同時に当初4週間はシンバスタチンをその後はフラバスタチンに変更し投与した。HCV-RNAは投与開始5週後に測定感度以下となり、現在も治療継続中である。本症例において3回目の抗ウイルス療法として投与されたPEG-IFNα2aとスタチンの併用が前2回の抗ウイルス療法に比較して短期間で血中HCV-RNAを陰性化させた。とりわけ1回目の抗ウイルス療法では、シンバスタチンの併用がなされたがHCV-RNAの陰性化には20週を要したのに比べ、PEG-IFNα2a、シンバスタチン、フラバスタチンの併用ではリバビリンを使用せず、5週と極めて短期間に血中HCV-RNAを陰性化させた。以上よりPEG-IFNα2a、シンバスタチン、フラバスタチンの併用には優れたHCV増殖抑制効果がある可能性が示唆された。
索引用語 PEG-IFNα2a, スタチン