セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 77:消化管出血にて発見された十二指腸脂肪腫の一例 |
演者 | 間野 真也(日立総合病院 内科) |
共同演者 | 鴨志田 敏郎(日立総合病院 内科), 大河原 悠(日立総合病院 内科), 大河原 敦(日立総合病院 内科), 柿木 信重(日立総合病院 内科), 新島 光起(日立総合病院 内科), 石川 晶久(日立総合病院 内科), 平井 信二(日立総合病院 内科), 岡 裕爾(日立総合病院 内科), 野渡 剛之(日立総合病院 外科), 上田 和光(日立総合病院 外科), 菊地 文史(日立総合病院 病理科) |
抄録 | 【症例】54歳、男性【主訴】黒色便【現病歴】2008年10月末に1日3回ほどの黒色便がみられ、近医受診となった。以前の採血でHb17 g/dlであったが、近医受診時Hb12 g/dlと低下、BUN/Cr比も34.1/0.6と上昇認め、上部消化管出血疑いにて同日当院紹介受診し、緊急入院となった。【既往歴】20歳虫垂炎手術、51歳高血圧、52歳内痔核手術【入院後経過】以前の採血ではHb17 g/dlであったものの、当院外来での採血ではHb11.8 g/dlと貧血が進行していたため、緊急上部消化管内視鏡施行とした。内視鏡所見上、胃内は凝血塊多量であったが、明らかな出血所見はみられなかった。十二指腸下行部ファーター乳頭より肛門側に直径2cm大の粘膜下腫瘍があり、その頂部に露出血管あり、出血源と考えられクリップにて止血を行った。絶食補液・プロトンポンプ阻害薬投与にて経過をみていった。その後貧血の進行はなく、黒色便も改善した。3日後確認の上部消化管内視鏡にて出血所見なし。十二指腸粘膜下腫瘍表面のびらん面より生検施行したが、明らかなSMTの所見はみられなかった。出血はみられなかったため同日より食事開始した。粘膜下腫瘍の評価目的に腹部造影CT施行し、脂肪腫が疑われた。PET検査では明らかな集積像はみられなかった。十二指腸脂肪腫からの出血と診断、今後も出血の原因になると考え当院外科で、十二指腸部分切除施行された。【考察】十二指腸粘膜下腫瘍からの出血にて入院となった症例。外科にて十二指腸部分切除行い脂肪腫と診断された。脂肪腫からの出血は少ないと考えられるが、本症例は貧血を生じるような、多量の出血を生じたため、緊急内視鏡にてクリップ止血後、外科手術を施行することとなった。十二指腸良性腫瘍の中でも脂肪腫は2.9%と比較的まれな疾患である。さらに出血性十二指腸脂肪腫はまれであると考えられ、その治療方針や手術適応について、文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 十二指腸脂肪腫, 十二指腸粘膜下腫瘍 |