セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 87:深部静脈血栓症を合併した潰瘍性大腸炎の一例 |
演者 | 大久保 秀則(茅ヶ崎市立病院 消化器内科) |
共同演者 | 城野 文武(茅ヶ崎市立病院 消化器内科), 鈴木 裕史(茅ヶ崎市立病院 消化器内科), 小林 智(茅ヶ崎市立病院 消化器内科), 村田 依子(茅ヶ崎市立病院 消化器内科), 栗山 仁(茅ヶ崎市立病院 消化器内科), 秦 康夫(茅ヶ崎市立病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は27歳男性。2008年2月に腹痛、血便、下痢にて発症し、下部消化管内視鏡検査にてUC(全結腸型)と診断。メサラジン、ステロイド投与にて3月には寛解導入したが、ステロイド漸減中(5月下旬)に症状再燃したため入院。ステロイド再度増量、禁食、IVH管理にてUCは改善傾向であったが、6月下旬に下肢の浮腫が出現。腎静脈分岐部やや頭側から両側下腿に至る広範な深部静脈血栓症(DVT)であることが判明。ベーチェット病による消化管病変、血栓症が鑑別として挙げられたが、HLA B51陰性であり外陰部潰瘍、眼症状など認めないことからベーチェット病は否定的であった。腎静脈よりも頭側まで病変が及ぶこと、手技自体により血栓剥離を誘発してしまうこと、血栓再発が十分考えられることを主な理由にIVC filter留置や外科的治療は行わなかった。その後抗凝固療法を開始したが血便が出現するようになり中止。DVTとUC双方のcontrolに難渋した。Retrospectiveに考察するとDVTは以前から存在しており、緊急性がないものと判断。DVTよりもUCのcontrolが先決と思われた。ステロイド1ml/kgまで増量にてUCは改善。8月上旬からは抗凝固療法を再開したがUCの増悪なく、さらに血栓自体も減少傾向であったため9月には退院。ただし本症例はステロイド依存性UCと考えられ、今後免疫抑制剤を導入した上で抗凝固療法を継続する必要があると考えられる。 |
索引用語 | 深部静脈血栓症, 潰瘍性大腸炎 |