共同演者 |
後藤 亨(大森赤十字病院 消化器科), 濱中 潤(大森赤十字病院 消化器科), 井田 智則(大森赤十字病院 消化器科), 諸橋 大樹(大森赤十字病院 消化器科), 太原 洋(大森赤十字病院 消化器科), 片山 貴(大森赤十字病院 放射線科), 松久 顕之(大森赤十字病院 放射線科), 山崎 悦夫(大森赤十字病院 放射線科) |
抄録 |
症例は57歳男性。既往歴に高血圧。平成16年10月他院にて肝右葉9cmの肝内胆管癌intrahepatic cholangiocarcinoma;ICC(S5-6-8;well diff.T3N0M0:stage3,Eg,Fc(+),Sf(-),S2,N0,Vp0,Vv0,Va0,B0, IM2, P0, SM(-), NL )に対して2/3肝右葉切除術施行。平成18年1月に肝内に5個の転移巣(最大)を認め、平成18年3月よりGEM療法(1600mg)開始。1クール施行したが転移巣は増大傾向を示し、患者が希望したため転移性肝癌へRFA施行目的で当科受診。RFA施行し腫瘍の大部分を壊死させ、外来にて化学療法を続けた。平成19年7月に肝内に3個の再発巣を認め再度RFA施行、腫瘍を壊死させた。その後もGEM療法を行っていたが、平成20年9月(33クール終了後)前回RFAにて焼灼したS2の辺縁より再発(最大40mm3個)を認めた。腫瘍径が大きくRFAのみでは治療困難であったため、患者の同意のもとepirubicinとmitomycinCにdegradable starch microspheres(DSM)を併用した肝動注塞栓療法(DSM-TACE)を4週間毎に施行した。塞栓に伴う腹痛、肝酵素の軽度上昇を認めたが、特に重篤な合併症は認めず、4クール終了後(平成21年2月)、腫瘍の縮小(60-70%)を認めた。再発・手術不能ICCへの標準的な化学療法はなく、その予後は不良と言われている。ICCに対するDSM-TACEの報告は散見されるが、今回、術後再発ICCにGEM+RFAを行ない、さらなる再発に対しDSM-TACEを施行して、腫瘍の縮小を得た一例を経験したので、報告する。 |