セッション情報 一般演題

タイトル 28:

肝限局性結節性過形成の2症例

演者 篠崎 勇介(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学)
共同演者 峯村 荘子(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学), 大岡 美彦(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学), 鳥谷部 武志(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学), 高橋 正憲(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学), 石橋 啓如(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学), 岡部 真一郎(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学), 丸山 紀史(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学), 金井 文彦(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学), 吉川 正治(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学), 横須賀 收(千葉大学大学院 医学研究院 腫瘍内科学)
抄録 【症例1】29歳女性。4年前の腹部超音波検査にて、肝左葉に径7cm大の腫瘍を指摘された。Dynamic CTでは、動脈相で濃染、平衡相で周囲肝と等濃度を呈し、中心瘢痕が描出された。限局性結節性過形成(Focal nodular hyperplasia,FNH)を疑われ経過観察されていたが増大してきたため、当院当科を紹介受診した。腹部超音波検査で肝左葉に88×63mm大の辺縁不明瞭の低エコー結節をみとめた。Sonazoid造影超音波早期相で中心部に流入する栄養血管像と車軸状の流出血管をみとめた。後期相では周囲肝と同等に造影され、中心瘢痕をみとめた。単純MRIでは内部に中心瘢痕をみとめ、T1強調像で低信号、T2強調像で等信号、拡散強調像では異常信号はなかった。Gd-EOB-DTPA-MRIでは、早期相で濃染、後期相でwash outし、肝細胞相では周囲肝とほぼ同等の信号を示し内部に中心瘢痕をみとめた。【症例2】29歳女性。5年前から子宮内膜症に対して産婦人科医院にてピルを処方されていた。腹部超音波検査にて、肝S5に径17×11mm大の辺縁明瞭の低エコー結節を指摘された。Dynamic CTでは、動脈相で濃染、平衡相・後期相でwash outされた。Sonazoid造影超音波早期相では車軸状の流出血管をみとめ、後期相で中心瘢痕をみとめた。単純MRIでは内部に中心瘢痕をみとめ、T1強調像で等信号、T2強調像で低信号、拡散強調像では描出されなかった。Gd-EOB-DTPA-MRIでは、早期相で濃染、後期相でwash outし、肝細胞相では高信号を示し、内部に中心瘢痕をみとめた。病理検査を施行し、FNHと診断された。【結語】FNHは、Gd-EOB-DTPA-MRI肝細胞相で高信号、等信号、それらの混在が各 1/3でみられると報告されている。症例1は等信号、症例2は高信号を呈した。FNHの診断には、各種画像所見、臨床症状、病理検査をあわせて総合的に行うことが重要である。
索引用語 Gd-EOB-DTPA-MRI, FNH