セッション情報 一般演題

タイトル 29:

肝外門脈閉塞症に肝腫瘍と肺高血圧症を合併した一例

演者 中尾 絵美子(東京女子医大 医学部 消化器内科)
共同演者 中嶋 研一朗(東京女子医大 医学部 消化器内科), 山本 果奈(東京女子医大 医学部 消化器内科), 春山 浩美(東京女子医大 医学部 消化器内科), 小山 祐康(東京女子医大 医学部 消化器内科), 米田 有紀(東京女子医大 医学部 消化器内科), 徳重 克年(東京女子医大 医学部 消化器内科), 斎藤 明子(東京女子医大 医学部 消化器内科), 橋本 悦子(東京女子医大 医学部 消化器内科), 白鳥 敬子(東京女子医大 医学部 消化器内科)
抄録 肝外門脈閉塞症に肝腫瘍と肺高血圧症を合併した症例を経験したので、文献的考察も含めて報告する。【症例】29歳女性。6歳時より肺高血圧症、結節性過形成、門脈本幹閉塞の診断を受けており他院で経過観察されており、28歳時の同院の腹部造影CTと腹部MRIにて最大径約8cm大の結節性過形成に矛盾しない多発腫瘍の所見を呈していた。その後精査のため当院受診、当院施行の腹部造影CTにて肝両葉に早期濃染を示し平衡相で相対的に低濃度を示す最大径8cm大の多発肝腫瘍を認め、また門脈は右葉本幹が閉塞し、側副血行路はSMV-IMV-内腸骨静脈シャントが疑われた。また肝機能はAST 49mU/ml, ALT 33mU/ml, γGTP 175mU/ml, ALP 1619U/l, alb 3.1g/dl, plt 23万/μl, PT% 67.0%であった。なお、腹部 MRIではT2W1で正常肝実質とほぼ等信号~淡い高信号、T1WIで不均一な高信号を呈し、Dynamic studyでは早期相で濃染されその後肝実質とほぼ等信号を呈し、肝細胞造影相15分後に全体に低信号を呈する多発肝腫瘍であった。また、レボビストエコーでは左葉の腫瘍は8cm大の境界不明瞭な低エコーと内部に径3cm大のnoduleを認め、動脈相でややhypervascular、30分後に極軽度のWashoutを認めた。以上より肝細胞腺腫又は限局性過形成結節(FNH)を疑い同部より腫瘍生検を行ったが、病理結果は過形成変化のみであった。【考察】画像診断で、非典型的な肝hyperplatic noduleを認めた。門脈血行異常に伴い、肝動脈血流異常・肺血流異常をひきおこし、最終的に肝hyperplatic nodule・肺高血圧に至った可能性が示唆された。
索引用語 EHO, FNH