セッション情報 一般演題

タイトル 92:

結腸の固定不全が原因と考えられた腸閉塞の一例

演者 江波戸 直久(帝京大学 医学部 内科)
共同演者 山本 貴嗣(帝京大学 医学部 内科), 磯野 朱里(帝京大学 医学部 内科), 三科 友二(帝京大学 医学部 内科), 中山 信(帝京大学 医学部 内科), 三浦 亮(帝京大学 医学部 内科), 深水 雅子(帝京大学 医学部 内科), 長澤 邦隆(帝京大学 医学部 内科), 後藤 英晃(帝京大学 医学部 内科), 阿部 浩一郎(帝京大学 医学部 内科), 服部 研吾(帝京大学 医学部 内科), 塙 直子(帝京大学 医学部 内科), 相磯 光彦(帝京大学 医学部 内科), 石井 太郎(帝京大学 医学部 内科), 高森 頼雪(帝京大学 医学部 内科), 田中 篤(帝京大学 医学部 内科), 久山 泰(帝京大学 医学部 内科), 滝川 一(帝京大学 医学部 内科)
抄録 症例は30歳代女性。特記すべき既往歴はないが、若年の頃より便秘傾向であった。平成20年12月急に腹部膨満、腹痛が出現したため当科を受診。腹部所見より腸閉塞が疑われ腹部CT検査を施行、拡張した腸管と少量の腹水を認めた。また右腹部には結腸が存在せず回盲部が左腹部に偏移しており、腹腔内の血管が捻じれているような走行異常が見られたことから、上行結腸の固定不全による捻転が考えられた。血流障害や穿孔などの所見を認めず、保存的治療にて症状は改善。経口摂取を開始後も再燃は見られず退院となった。症状消失後のCTで上行結腸や盲腸が通常通り右側に存在することが確認された。現在便秘のコントロールを行いながら外来にて経過観察中である。 結腸の後腹膜への固定が不十分な状態として総腸間膜症など先天的腸回転異常が挙げられる。臨床症状を呈さず経過することが多いが、稀に腸閉塞の原因になることが報告されている。本症例はそのような基礎疾患が存在し発症した可能性が高いと考えられた。
索引用語 腸閉塞, 総腸間膜症