セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
43:脳転移を伴った進行胆嚢癌の1例
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演者 |
上野 誠(神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵) |
共同演者 |
大川 伸一(神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵), 坂本 康成(神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵), 宮川 薫(神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵) |
抄録 |
【症例】56歳,女性.【主訴】ふらつき,嘔吐【既往歴】特記すべきことなし.【現病歴】2005年3月より心窩部痛出現し前医受診.CTにて胆嚢癌,肝浸潤が疑われ,精査加療目的で4月下旬,当院紹介となった.また4月中旬より嘔気出現し,歩行時ふらつくとのことであった.当初は,胆嚢癌進行による悪液質,十二指腸浸潤に伴う通過障害が存在する可能も考えたが,嘔吐時の内容物の量が少ないこと,歩行時のふらつき強いことより,頭部CT施行したところ,小脳転移が疑われた.【現症】神経学的所見:対光反射5mm/5mm,+/+,眼球運動:正常,眼振:なし,四肢麻痺,表在感覚,深部感覚異常なし.運動失調:指鼻試験 出来ない.よろめき歩きあり.【主要な検査所見】頭部造影CT:小脳正中から右にかけて,造影効果のない腫瘤あり.腹部造影CT:胆嚢腫瘤あり.連続して肝右葉S5に腫瘤あり,肝全域に低濃度腫瘤多数.【経過】嘔吐,ふらつきでperformance status (以下PS)低下した状態であった.小脳症状が改善すればPSも引き続き改善の可能性があると考え,5月2日小脳腫瘍摘出術を施行した(術後組織診断は低分化腺癌).術後,嘔気改善し,徐々に歩行も出来ていたが,5月20日ごろより再度嘔気出現した.MRIでは,小脳多発転移再発,硬膜転移が疑われた.その後,視力消失,聴力消失,顔面神経麻痺,嚥下障害,膀胱直腸障害が順次出現し,全身状態が悪化し,最終的に6月30日死亡した.【結語】胆嚢癌の遠隔転移として脳転移を来し,更に癌性髄膜炎を併発したと考えられる稀な症例であり報告した. |
索引用語 |
胆嚢癌, 脳転移 |