セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 64:Billroth II法再建残胃吻合部近傍からDieulafoy潰瘍様出血を繰り返したと思われる1例 |
演者 | 宮本 勇治(東京都立墨東病院 内科) |
共同演者 | 浅野 徹(東京都立墨東病院 内科), 谷口 未樹(東京都立墨東病院 内科), 堀内 亮郎(東京都立墨東病院 内視鏡科), 村山 厳一(東京都立墨東病院 内科), 古本 洋平(東京都立墨東病院 内科), 北村 まり(東京都立墨東病院 内科), 佐崎 なほ子(東京都立墨東病院 内科), 忠願寺 義通(東京都立墨東病院 内科), 藤木 和彦(東京都立墨東病院 内科) |
抄録 | 【症例】57歳 男性【現病歴】22歳時に十二指腸潰瘍にて胃亜全摘術(Billroth II法再建)を施行される。平成17年12月、黒色便・ふらつきを主訴に近医受診しHb=6.9g/dlと貧血を呈していたことより同17日当院受診、精査加療目的で同日第1回入院。上部消化管内視鏡検査(GFS)にて残胃内に血性残渣貯留を認めるも出血源は不明であった。出血シンチ(第3病日)にて吻合部付近からの出血が疑われGFS再検するも出血点は同定できず、腹部血管造影検査(第4病日)にても出血部位は判明しなかった。以後再出血は認めず第14病日に退院。退院後は近医にて制酸剤、胃粘膜保護剤を処方されていたが、平成20年12月上旬より再度黒色便が出現するようになり同7日当院受診、上部消化管出血の疑いで同日第2回入院。【入院時現症】意識清明、血圧135/89mmHg、脈拍111/分、眼瞼結膜貧血なし、腹部軟・圧痛なし、【入院時検査所見】WBC8200/μl、RBC 346×104/μl、Hb11.1 g/dl、HCT 32.2%、MCV93.1 fl、MCH32.1pg、Plt=29.6×104/μl、PT122.4%、TP6.6g/dl、Alb3.7g/dl、AST17U/l、ALT10U/l、LDH149U/l、γ-GTP43U/l 、T-Bil 0.7 mg/dl、T-Chol 149mg/dl、BUN 24 mg/dl、Cre 0.6 mg/dl、Glu 111mg/dl、CRP 0.03 mg/dl、CEA 4.9 ng/ml、CA19-9 12.0 U/ml、抗HP-IgG抗体 陽性【入院後経過】第2病日のGFSにて胃内から小腸輸出脚に暗赤色血液の貯留を認めるも出血点は同定できなかった。第3病日の出血シンチではRI投与2時間後より小腸内に血液貯留を認めた。入院後も黒色便は持続し輸血を繰り返すも貧血は進行、第5病日にHb=5.0 g/dlまで低下したため同日GFS再検、吻合部口側に中央に発赤隆起を有する3mm大の陥凹病変を認め、同部位にソフト凝固を行った。翌日のGFSにて観察中にソフト凝固焼灼部の近傍より噴出性の出血を認めクリッピングにて止血、以降黒色便はなく貧血も改善したため第19病日退院。現在外来通院を継続しているが消化管出血再発を疑わせる所見は認めていない。【考察】Billroth II法再建残胃吻合部近傍からDieulafoy潰瘍様出血を繰り返したと思われる症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | Dieulafoy潰瘍, Billroth II法再建残胃 |