| セッション情報 | 一般演題 |
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| タイトル | 70:Type4胃癌との鑑別が困難であった多発早期胃癌の一例 |
| 演者 | 鈴木 迪哲(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター) |
| 共同演者 | 平澤 欣吾(横浜市大市民総合医療センター 内視鏡室), 矢原 青(横浜市大市民総合医療センター 内視鏡室), 粉川 敦史(横浜市大市民総合医療センター 内視鏡室), 佐々木 友彦(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター), 斉藤 恵子(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター), 清国 真理(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター), 金子 卓(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター), 杉森 一哉(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター), 森本 学(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター), 近藤 正晃(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター), 沼田 和司(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター), 田中 克明(横浜市大市民総合医療センター 消化器病センター) |
| 抄録 | 【症例】60歳 男性【主訴】上腹部不快感【現病歴】H20年7月上記主訴にて近医を受診し、上部内視鏡にて胃癌を指摘されたため、精査加療目的で当センターを紹介受診した。当センターの上部内視鏡では、(1)胃体上部前壁に約30mmの発赤調で粘膜模様が粗造な陥凹面、また、(2)胃体下部前壁には周囲粘膜ヒダの引き連れを伴った約25mmの発赤調の陥凹面を認めた。(1)と(2)の病変間の表面は正常粘膜であったが、粘膜下腫瘍様に肥厚した壁が連続性に存在していた。また、周囲にも肥厚しているヒダが存在したことから、肉眼型からはtype4が考えられた。生検の結果は(1)からは低分化型腺癌、(2)は異型腺管のみで、病変間の生検は正常粘膜であった。しかし、透視上いわゆる痩せぼそりの胃ではなく、両病変間の肥厚した壁は限局性に認められたことからEUSを施行したところ、(1)の病変は第2層までの低エコーを、(2)の病変は第4層までの低エコーを呈する病変であり、その間の壁は嚢胞状のエコー像が散在するために壁が肥厚しているという所見であった。以上よりtype4胃癌、鑑別として背景に胃粘膜下異所腺が存在する多発癌の診断にて、10月17日手術目的で入院となった。【経過】10月15日診断的腹腔鏡にて明らかな漿膜浸潤・腹膜播種・腹水を認めず、腹腔洗浄細胞診も陰性であったため、腹腔鏡補助下胃全摘+D2郭清を施行。縫合不全を合併したが第26病日に退院となった。病理組織診断は術前内視鏡で認めた病変は別病変であり、2病変ともに早期胃癌であった。また、周囲には胃粘膜下異所腺が存在しており、EUSの所見と合致するものであった。リンパ節転移は認めなかった。今回我々は周囲のヒダの太まり、壁肥厚といった所見からtupe4胃癌との鑑別が困難であった多発早期胃癌の一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 | type4胃癌, 早期胃癌 |