セッション情報 一般演題

タイトル 6:

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)及びクリオグロブリン血症(CG)を随伴し、ペグインターフェロン/リバビリン(Peg-Riba)併用療法が著効したC型慢性肝炎の1例

演者 森屋 恭爾(東京大学医学部感染制御部)
共同演者 四柳 宏(東京大学感染症内科), 伊豆津 宏二(東京大学血液腫瘍内科), 永井 純正(東京大学血液腫瘍内科), 新谷 良澄(東京大学感染症内科), 藤江 肇(東京大学消化器内科), 堤 武也(東京大学感染症内科), 三好 秀征(東京大学感染症内科), 高橋 強志(東京大学血液腫瘍内科), 黒川 峰夫(東京大学血液腫瘍内科), 小池 和彦(東京大学感染症内科)
抄録 症例は33歳女性、19歳時にHCV抗体陽性を指摘。2006年1月発熱、皮疹、関節痛にて当院受診。初診時検査成績:Plt 92000/uL, AST 20IU/L, ALT 16IU/L, CH50 16U/mL, IgM 496mg/dL, IgG 1304 mg/dL, RA 3440IU/mL, 抗核抗体、抗血小板抗体はいずれも陰性。骨髄穿刺では形質細胞などの異常増殖は認められなかった。皮膚科及び血液内科にて精査の結果IgM-κをモノクローナル成分に持つII 型CG及びITPと診断された。ITPの治療として免疫グロブリン大量療法に引き続いてプレドニゾロン(PSL)を60mgから開始した。PSL を30mgまで減量し、血小板数の減少がないことを確認後、HLBI(3MU 3/w)を開始した。開始時のHCV-RNAは631 IU/L、Genotypeは1であった。HLBIを12週間投与後、HCV-RNA量の変化はなかったため、Peg-Riba併用療法に切り替えた。Peg-Riba併用療法開始12週後にHCV-RNAは陰性化した。PSLは漸減し、治療開始1年後に中止した。72週間のPeg-Riba併用療法終了から現在1年3ヶ月が経つが、HCV-RNA陰性、血小板数正常、皮疹の消失、RA/IgMの著明な改善が得られている。本例はHCV無症候性キャリアに伴う肝外徴候(CG及びITP)に対してPeg-Riba療法を行い、肝炎及び肝外徴候の消失が得られた貴重な症例である。
索引用語 クリオグロブリン, 特発性血小板減少性紫斑病