セッション情報 一般演題

タイトル 35:

急性胆嚢炎に後腹膜胆汁漏を合併した一例

演者 菰池 信彦(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科)
共同演者 中尾 裕(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 及川 恒一(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 益井 芳文(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 小林 裕彦(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 間森 聡(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 伏谷 直(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 天野 克之(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 坂部 俊一(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 木島 洋征(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 小野田 泰(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 宮川 佳也(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 中島 尚登(東京慈恵会医科大学第三病院消化器肝臓内科), 田尻 久雄(東京慈恵会医科大学消化器肝臓内科), 平本 悠樹(東京慈恵会医科大学第三病院外科), 岡本 友好(東京慈恵会医科大学第三病院外科)
抄録 症例は79歳男性.生来健康だが平成20年7月に気腫性胆嚢炎で当科入院歴があり,画像検査上明らかな胆石を認めずPTGBDで改善した.平成20年12月5日夜間より右季肋部痛を自覚し当院救急外来受診.炎症反応に乏しく腹部画像検査でも明らかな異常所見を認めなかったが,鎮痛剤への反応が乏しいため急性腹症として精査加療目的に緊急入院となった.その後腹部超音波で胆嚢の軽度緊満と周囲の脂肪組織の軽度混濁が出現したため急性胆嚢炎と診断した.絶食・抗菌薬投与により症状は改善傾向を示したが,第7病日に突然上腹部膨満感が出現.腹部CT検査で肝左葉および脾周囲,後腹膜腔へ及ぶ大量腹水貯留を認め,腹水穿刺で胆汁様の腹水が採取された.ドレナージチューブを留置したがドレナージ不充分であったため,開腹ドレナージ及び胆嚢摘出を目的として第31病日に開腹手術が施行された.慢性胆嚢炎の所見を認め,壊死性胆嚢炎後に後腹膜に胆汁貯留を伴ったものと考えられたが,明らかな胆汁漏出瘻孔は認めなかった.外傷や外科的手術侵襲により胆汁漏を認めることはあるが,本例の如く,特に誘因なく後腹膜までに及ぶ胆汁貯留を認めることは稀であり若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 急性胆嚢炎, 胆汁漏