セッション情報 一般演題

タイトル 56:

診断に苦慮した膵内副脾に伴うEpidermoid cystの1例

演者 丸野 敦子(東海大学 医学部 消化器内科)
共同演者 川口 義明(東海大学 医学部 消化器内科), 伊藤 裕幸(東海大学 医学部 消化器内科), 峯 徹哉(東海大学 医学部 消化器内科), 岡田 健一(東海大学 医学部 一般外科), 松山 正浩(東海大学 医学部 一般外科), 堂脇 昌一(東海大学 医学部 一般外科), 飛田 浩輔(東海大学 医学部 一般外科), 今泉 俊秀(東海大学 医学部 一般外科), 平林 健一(東海大学 医学部 病理診断科)
抄録 症例:39歳,女性。主訴:症状なし。飲酒歴:日本酒1-2合/日。現病歴:平成20年10月,会社健診の腹部超音波検査にて膵嚢胞性病変を指摘され,当科受診。血液データ上CA19-9軽度上昇以外に特記なし。腹部所見特記なし。US,CT,MRでは,膵尾部に隔壁構造と一部に小石灰化を伴う,比較的厚い被膜で覆われた2cm大の嚢胞性病変が認められた。主膵管の狭窄、拡張は認められなかった。さらに超音波内視鏡上は,病変内部に充実成分が認められた。ERPでは,主膵管に変化は認めず,嚢胞性病変は造影されなかった。また,十二指腸乳頭部は正常であった。以上の画像から,SPT,MCN,副脾に伴うEpidermoid cystを鑑別として考え,SPIO-MRIを施行するも SPT,MCNの可能性を否定できず,腹腔鏡補助下膵尾部,脾臓合併切除術を施行した。病理学的には,副脾に伴うEpidermoid cystであった。膵内副脾は稀ではないが,膵内副脾に嚢胞を形成する症例は比較的稀であり,今回検索した限り45例の報告があるのみであった。副脾に伴うEpidermoid cystの鑑別としてはSPT,膵粘液性嚢胞腫瘍,膵内分泌腫瘍などが挙げられるが,確診に至らず手術となる症例が多い。副脾に伴うEpidermoid cystは良性疾患であり,術前の診断について十分な検討が必要と考えられ,今回,文献的考察とともに報告する。
索引用語 膵嚢胞性腫瘍, 副脾