セッション情報 一般演題

タイトル 91:

Lansoprazole内服により発症したと考えられたcollagenous colitisの一例

演者 佐藤 知子(国際親善総合病院)
共同演者 鹿野 千行(国際親善総合病院), 二本松 宏美(国際親善総合病院), 有田 正裕(国際親善総合病院), 石川 由美(国際親善総合病院), 岡崎 博(国際親善総合病院)
抄録 【症例】75歳 男性【主訴】下痢【現病歴】H19年12月近医にて胃食道逆流症に対しLansoprazoleが投与され、H20年3月より1日3~4回の下痢が出現した。各種止痢剤を内服するも改善せず、H20年5月他院にて上・下部内視鏡検査が施行されたが異常は認めなかった。その後も下痢が持続するためH20年10月29日当院受診、11月18日下部内視鏡検査を施行したところ、回盲部に膿苔に覆われた易出血性顆粒状粘膜と全周性に多発するびらんを認めた。同部位の生検では表層上皮直下にcollagen bandの沈着と、粘膜固有層内に形質細胞の増殖を認めたことよりCollagenous Colitisが疑われ、精査目的に12月16日入院となった。【経過】原因として薬剤性を考え、内服薬であったAspirin、Lansoprazoleの内服を12月11日より中止したところ、排便回数、便性状ともに速やかに改善した。12月18日に施行した大腸内視鏡検査では、回盲部の易出血性顆粒状粘膜、びらんは消失し、粘膜血管透見の低下が散見されるのみであった。12月19日よりAaspirinのみ再開したが下痢の増悪は認めず12月21日退院となった。その後外来においても症状の増悪・再燃は認めなかったため、起因薬剤としてLansoprazoleが考えられた。今回我々はLansoprazole内服により発症したと考えられたcollagenous colitisの一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 Collagenous Colitis, Lansoprazole