セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 39:Caroli病の1剖検例 |
演者 | 高原 慎一(昭和大学横浜市北部病院 臨床研修センター) |
共同演者 | 三澤 将史(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 及川 裕将(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 亀田 亮(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 池田 晴夫(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 和田 祥城(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 蟹江 浩(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 樫田 博史(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 工藤 進英(昭和大学横浜市北部病院消化器センター) |
抄録 | 【症例】70歳台男性 【主訴】発熱、腹痛 【既往歴】1995年より多発性嚢胞腎による腎不全で血液透析、2006年肝硬変を指摘(非B非C)【現病歴】2008年8月19日に近医で血液透析後に右季肋部痛と発熱が出現し、血液生化学所見で黄疸と肝胆道系酵素の上昇を認めたため、胆道感染症が疑われ、腹部CT検査を施行した。多発性肝嚢胞と肝内石灰化を認めたが、胆嚢炎や総胆管結石は認めなかった。胆管炎の疑いで2008年8月22日当院紹介受診した。理学所見で血圧78/45mmHg、結膜に貧血黄疸を認め、右季肋部に圧痛を認めた。血液生化学所見ではWBC 10710/μl、CRP 21.11mg/dl、BUN 67.8mg/dl、Cr 6.7mg/dl、T-Bil 4.4mg/dl、D-Bil 3.1mg/dl、AST 69U/l、ALT 31U/l、γ-GT 108U/l 、ALP 1372U/lと炎症反応と閉塞性黄疸、肝胆道系酵素の上昇を認めた。胆道感染に伴う敗血症性ショックと考えICUに入院となった。血圧低下のため持続血液ろ過透析(CHDF)を施行、抗生物質を投与し全身状態の改善を図った。第4病日でCHDFを離脱し、第6病日に腹部造影CTを施行したところcentral dot sign、肝内胆管結石を認め、Caroli病を疑った。徐々に閉塞性黄疸が増強したため胆道精査目的に第7病日にERCPを施行した。肝内胆管の枯れ枝状狭窄、胆管の嚢胞状拡張が認められ、caroli病と診断した。多発する肝嚢胞への感染とびまん性の胆管狭窄に伴う閉塞性黄疸と判断し減黄術は施行しなかった。その後敗血症に伴う播種性血管内凝固(DIC)を併発、徐々に血圧低下し第13病日に永眠された。ご家族の同意をえて病理解剖を施行した。高齢発症のcaroli病は比較的まれであり文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | Caroli病, 剖検 |