セッション情報 一般演題

タイトル 8:

ペグインターフェロン+リバビリン療法に抵抗性でニタゾキサニド(アリニア)などの多剤併用によりHCV RNA陰性化が得られた難治性C型慢性肝炎の1例

演者 平田 啓一(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 消化器科)
共同演者 長船 靖代(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 消化器科), 高林 英日己(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 消化器科), 上市 英雄(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 消化器科), 川村 紀夫(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 消化器科), 林 茂樹(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 消化器科)
抄録 【症例】60歳代後半男性 【主訴】全身倦怠感、肝機能異常 【現病歴】46歳時、背部刺傷により手術、この際輸血を受けた。その後肝機能障害出現、53歳時HCV抗体陽性を指摘された。54歳時よりインターフェロン単独療法で3回治療されたが無効、また63歳時よりペグインターフェロン+リバビリン(PEGIFN+RBV)療法を開始、2か月、4カ月の休薬期間が2回あるも現在まで約5年間治療を継続してきたが、この間一度もHCV RNAの陰性化は得られなかった。本年4月よりPEGIFN+RBV療法を再開したが3か月後もHCVRNAが2.4LogIU/mlと陰性化しなかったため、患者の同意を得てアリニア内服を併用することとした。【理学所見】BMI25.2、貧血、黄疸、肝脾腫、腹水、浮腫いずれも認めず。【検査所見】WBC 3100, RBC 323, Hb 10.8, Ht 34.8, Plt 14.4, Alb 4.6, GOT 29, GPT 20, ALP257, γGTP43, HCV genotype 1b, HCV RNA(RT-PCR) 2.4LogIU/ml【経過】アリニア内服中強い全身倦怠感があったため、患者の判断により投与1か月でアリニアは中止された。しかし、その3カ月後にHCVRNAが陰性化し、以後も6ヶ月間陰性化が持続している。なお、他に併用した薬剤にフルバスタチン(今回治療以前より)、ビスホスホネートとイコサペント酸(アリニア中止後)がある。【考察及び結語】治療に難渋していたC型慢性肝炎症例に対してPEGIFN+RBV療法を行い、更にアリニア、スタチンなどを併用することにより、初めてHCVRNA陰性化が得られた症例を経験した。C型慢性肝炎治療においてPEGIFN+RBVが無効な場合に、これらの併用療法が有効な可能性が示唆された。
索引用語 C型肝炎, インターフェロン