セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 96:術前のS-1、CPT-11併用療法が奏効した大腸癌肝転移の一例 |
演者 | 加藤 礼(昭和大学 医学部 消化器・一般外科) |
共同演者 | 榎並 延太(昭和大学 医学部 消化器・一般外科), 中尾 健太郎(昭和大学 医学部 消化器・一般外科), 渡辺 誠(昭和大学 医学部 消化器・一般外科), 澤谷 哲央(昭和大学 医学部 消化器・一般外科), 加藤 正典(昭和大学 医学部 消化器・一般外科), 松井 伸朗(昭和大学 医学部 消化器・一般外科), 柳川 達郎(昭和大学 医学部 消化器内科), 野津 史彦(昭和大学 医学部 消化器内科), 斎藤 光次(昭和大学 医学部 第一病理学), 井廻 道夫(昭和大学 医学部 消化器内科), 角田 明良(昭和大学 医学部 消化器・一般外科), 草野 満夫(昭和大学 医学部 消化器・一般外科) |
抄録 | 症例は54歳、男性。腹痛、悪心、嘔吐を主訴に当院内科受診した。身体所見に異常認めず、血液生化学所見では、軽度炎症反応認めるのみであったが、腫瘍マーカーはCEA1563ng/mlと著明な高値を認めた。画像検査所見では、CT検査にて、横行結腸肝局部に造影効果を伴った壁の肥厚を認め、また肝内には両葉に渡りLow density areaを認め、最大で5cmであった。横行結腸癌、腹部リンパ節転移、多発肝転移の疑いで、大腸内視鏡検査を施行し、横行結腸肝局部に限局型潰瘍病変が観察された。生検ではgroup5、poorly differentiated adenocarcinomaであり横行結腸低分化腺癌StageIVと診断された。腫瘍による全周性の狭窄認め、通過障害あったため当科外科に転科し、回腸瘻造設術施行した。経口摂取可能となり、S-1 (80mg/m2)を21日間連続投与、CPT-11(80mg/m2)を1日目と15日目に投与というS-1、CPT-11併用療法のレジメンを1クールとして、術前化学療法を施行した。経過中、有害事象として口内炎を認めるのみだった。1か月後の効果判定のCTにて多発肝転移は最大で3cmと著明な縮小、CEA460ng/mlと著明な低下認め、横行結腸切除術+D1郭清施行した。病理組織学的には中分化管状腺癌を主体としており、郭清したリンパ節に明らかな癌遺残認めず、化学療法の効果判定はGrade 1bであった。術後化学療法として2クール目を初回の80%のdoseで施行した。現在3クール目を終了し、多発肝転移は残存するものの最大の腫瘤は1.5cmと縮小傾向であり、CEAも11.8ng/mlと著明な改善認めている。本症例ではS-1、CPT-11の併用療法が奏効し、大腸腺癌に対する術前および術後の化学療法の一助となると考えられ報告する。 |
索引用語 | 大腸癌, 化学療法 |