セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 86:潰瘍性大腸炎に対しシクロスポリン持続静注で緩解導入した後の再燃に対し2度目の投与を行った2症例 |
演者 | 丸山 悠里子(慶應義塾大学 医学部 消化器内科) |
共同演者 | 小林 拓(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 長沼 誠(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 岩崎 栄典(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 山岸 由幸(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 高石 官均(慶應義塾大学 包括先進医療センター), 久松 理一(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 岡本 晋(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 金井 隆典(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大学 内視鏡センター), 岩男 泰(慶應義塾大学 包括先進医療センター), 日比 紀文(慶應義塾大学 医学部 消化器内科) |
抄録 | 【初めに】重症潰瘍性大腸炎に対するcyclosporine A(以下CyA)持続静注は、高い有効性が報告されているが、その反面、緩解導入された症例でも再燃し、手術が必要になることが少なくない。また、有効例について再燃時に再度CyA持続静注を行うべきかについては一定の見解はないものの、当院では上記理由に加え副作用出現が危惧されることより、原則再投与は行わず、多くは外科手術を行っている。そのような中、今回繰り返しCyA持続静注を行った最近の2症例を報告するとともに、同療法再投与の成績について検討する。【症例1】33歳男性、罹病期間2年、全大腸炎型。診断時左側大腸炎型であり、5-ASA、ステロイド注腸で外来加療していたが増悪、内視鏡上罹患範囲が肝彎曲部まで口側進展していた。入院しPSL強力静注療法、顆粒球吸着療法(GCAP)を行ったが効果不十分であり、CyA持続静注を行った。速やかな症状改善が得られ16日目で一旦漸減中止したが、直後に再燃したため、2回目のCyA持続静注を行った。効果は1回目投与時とほぼ同等であり、再度緩解導入に成功した。内服にてCyA投与を継続することで、そのまま再燃は見られず退院となった。【症例2】36歳女性、罹病期間16年、左側大腸炎型。5-ASAなどで外来加療中再燃した。ステロイド、GCAP無効の為CyA持続静注を計16日間行い緩解導入しえた。以後6-MP、5-ASAで緩解維持していたが、3年後に挙児希望の為6-MPの内服を中止した後に症状増悪、重症となり入院した。再度CyA持続静注を行ったが、初回投与時と異なり症状の改善がみられず、大腸全摘術が必要となった。【考察】今回の検討例では、共に初回CyA持続静注療法の効果が良好であり、2度目の投与も安全に行ないえたものの、治療効果に差がみられた。これらの症例を踏まえ、当院でCyAの投与を2回以上施行した症例の有効率、安全性を集計し、あわせて報告する。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, シクロスポリン |