セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 75:除菌にて改善した十二指腸リンパ腫の一例 |
演者 | 丸茂 達之(上尾中央総合病院 消化器科) |
共同演者 | 西川 稿(上尾中央総合病院 消化器科), 江川 優子(上尾中央総合病院 消化器科), 三神 昌樹(上尾中央総合病院 消化器科), 川上 知孝(上尾中央総合病院 消化器科), 山本 龍一(上尾中央総合病院 消化器科), 笹本 貴広(上尾中央総合病院 消化器科), 明石 雅博(上尾中央総合病院 消化器科), 広瀬 孝康(上尾中央総合病院 消化器科), 吉川 衆陽(上尾中央総合病院 消化器科), 松下 功(上尾中央総合病院 消化器科), 土屋 昭彦(上尾中央総合病院 消化器科), 山中 正己(上尾中央総合病院 消化器科), 長田 宏巳(上尾中央総合病院 病理) |
抄録 | 【症例】66歳、男性【主訴】血便【既往歴】胆嚢ポリープ【現病歴】2007年8月に少量の血便のため当科初診。大腸内視鏡検査を施行し、大腸憩室出血が疑われた。スクリーニングで10月に施行した上部消化管内視鏡検査(EGD)で十二指腸乳頭の対側に白色顆粒状病変がみられた。生検ではリンパ濾胞がみられ十二指腸濾胞性リンパ腫やmucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫が疑われた。6ヶ月後に行ったEGDでは、病変に著変はみられなかったが、精査のため十二指腸病変部の生検検体での表面マーカーと染色体分析を施行した。表面マーカーではB細胞系のλ鎖がκ鎖の2倍以上でCD10は32.9%より濾胞性リンパ腫が疑われた(染色体は増殖不良で評価不可)。sIL-2R 990、チミジンキナーゼ 10.2は両者とも高値であった。ガリウムシンチグラフィーでは異常集積はみられなかった。StageI以下の十二指腸リンパ腫と臨床的に診断した。呼気テストは陽性でありヘリコバクターピロリ菌の除菌療法を施行。1次除菌は不成功であったが、2次除菌で成功した。12ヶ月後に施行したEGDでは、顆粒状粘膜の改善がみられsIL-2R 567、チミジンキナーゼ8.1と低下していた。【考察】十二指腸濾胞性リンパ腫とMALTリンパ腫の鑑別は困難で、表面マーカーや免疫染色が鑑別診断となる(現在BCL2蛋白抗体を用いた免疫染色を施行中)。今回の症例は内視鏡的所見では濾胞性リンパ腫が疑われたが、除菌により改善がみられたため経過からはMALTリンパ腫が考えられた。貴重な症例と考え文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 十二指腸リンパ腫, 除菌 |