セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 95:術前化学療法により組織学的CRが得られた他臓器浸潤直腸癌の1手術例 |
演者 | 田口 昌延(自治医科大学消化器一般外科) |
共同演者 | 宮倉 安幸(自治医科大学消化器一般外科), 熊野 秀俊(自治医科大学消化器一般外科), 鯉沼 広治(自治医科大学消化器一般外科), 冨樫 一智(自治医科大学消化器一般外科), 堀江 久永(自治医科大学消化器一般外科), 安田 是和(自治医科大学消化器一般外科) |
抄録 | 症例は69歳、男性。血便を主訴に近医を受診、直腸癌を疑われ当院紹介となる。下部消化管内視鏡検査では直腸Rasbに環周率90%の2型腫瘍を認め生検結果は高分化腺癌であった。CTやMRIでは膀胱、精嚢、前立腺への浸潤を認め、右内外腸骨動脈領域に腫大したリンパ節が多発していた。高度進行直腸癌Rasb、2型、cSI、cN3、cH0、cP0、cM0、cStage3bと診断した。術前検査を進めるうちにイレウスを発症、緊急的に人工肛門を造設した。側方リンパ節転移と周囲臓器への高度な浸潤を認めていたため術前化学療法施行後根治術の方針とした。mFOLFOX6を4コース施行、原発巣は著明に縮小、画像上PRを得た。手術所見では病変は膀胱、精嚢、前立腺と境界不明瞭な手拳大の硬い腫瘤として存在、これらの臓器を含めた骨盤内臓全摘術を施行した。術後の病理組織学的検査では、直腸粘膜に約4cmの潰瘍瘢痕と精嚢腺周囲へと続く線維化を認めたが、腺癌の浸潤像は認めず組織学的CRが得られていた。本症例は術前化学療法単独で組織学的CRが得られた稀な症例であり文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 直腸癌, 術前化学療法 |