セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 63:心膜静脈経由でB-RTO(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術)を施行した孤立性胃静脈瘤の1例 |
演者 | 森田 宏(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科) |
共同演者 | 三村 享彦(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 樋上 勝也(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 藤塚 宜功(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 籾山 浩一(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 竹内 基(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 片桐 正人(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 中野 茂(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 永井 英成(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 渡邊 学(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 住野 泰清(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科), 磯部 義憲(国立病院機構東京医療センター 放射線科) |
抄録 | 症例は71歳の女性.前医にて原発性胆汁性肝硬変にて経過中,孤立性胃静脈瘤が増大してきたためB-RTOを試みたが多重排血路のため完遂できなかった.その為当院紹介受診されB-RTO再施行の予定であったが,入院予定前に胃静脈瘤破裂による吐血を来たし緊急内視鏡下にN-buthyl-2-cyanoacrylateの局注にて止血,その後B-RTOを施行した.事前の3D-CTおよびB-RTVにて胃静脈瘤に連続する胃腎短絡路が2本と下横隔静脈-心膜静脈が排血路と推定されていた.そのため右内頚静脈から胃腎短絡路内に1本バルーンカテーテルを挿入し,更に右大腿静脈からももう1本のバルーンカテーテルを挿入,もう1本の胃腎短絡路内に挿入した.しかし,その際に造影剤の血管外漏出を来たしたため中止となった.後日改めてB-RTOを施行した.右内頚静脈から20mmバルーンカテーテルおよびマイクロカテーテルを使用し胃腎短絡路深部に挿入して造影したが,下横隔膜静脈及び心膜静脈へと流出する血流にて胃静脈瘤は造影されなかった.そのため,左内頚静脈からもカテーテルを挿入し,左腕頭静脈より心膜静脈,さらに下行して下横隔膜静脈まで挿入したところでコイルにて血流を遮断.その後左内頚静脈からのカテーテルを胃腎短絡路のもう一つの分岐へと挿入し造影したところ胃静脈瘤本体の描出を認めた.胃静脈瘤から食道静脈へと流出する経路を認めたため,50%ブドウ糖液20mlを先行注入後,5%ethanolamine oleate(EOI)を計17ml注入し胃静脈瘤本体へのEOI停滞を確認.翌日造影したところ胃静脈瘤本体がまだ造影され血栓化不十分であったため5%EOIを10ml注入し終了した.術後の内視鏡およびCTにて胃静脈瘤の縮小傾向と静脈瘤内の血栓形成を認めた.今回我々は心膜静脈経由でB-RTOを施行した孤立性胃静脈瘤の1例を経験したため報告する. |
索引用語 | B-RTO(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術), 胃静脈瘤 |