セッション情報 一般演題

タイトル 16:

先天性総胆管嚢腫症を伴ったAFP産生胆管癌の一例

演者 宮川 薫(神奈川県立がんセンタ- 消化器内科)
共同演者 坂本 康成(神奈川県立がんセンタ- 消化器内科), 上野 誠(神奈川県立がんセンタ- 消化器内科), 大川 伸一(神奈川県立がんセンタ- 消化器内科)
抄録 【症例】36歳、女性。【主訴】腹満感。【既往歴】特記すべきものなし。【現病歴】2007年12月末頃から、腹満感出現、近医を受診精査。CTで最大8cm大の多発肝腫瘍、総胆管拡張など認め、2008年1月18日、当科紹介初診となった。初診時より39度の発熱を認めたので、即日入院となった。【入院時理学的所見】右季肋部に弾性硬の著明な肝腫大を触知するが、リンパ節は触知しなかった。【入院時検査所見】WBC 10900/μl。.RBC 340×104/μl。plat45.1×104/μl 。Alb 3.3g/dl。T-bil 1.6mg/dl。LDH 1850 IU/ml。AST 96 IU/ml。ALT 60 IU/ml。ALP 1707 IU/ml。CRP 13.6mg/dl。AFP 830115ng/ml。PIVKA2 1870mAU/ml。CEA 0.5ng/ml。CA19-9 14.8U/ml【経過】1月21日、CTで肝多発腫瘍と総胆管拡張を認めた。1月22日、PET-CTでは、総胆管上部と肝に多発する、FDGの集積を認めた。1月23日、超音波下肝腫瘍生検を施行。肝腫瘍生検の病理結果は、低分化癌であった。MRCPでは、先天性総胆管嚢腫と総胆管内に隆起性病変を認めたので、総胆管癌および、多発肝転移と考えられた。そのため、1.31より、塩酸ゲムシタビンを投与開始したが、効果なく肝不全状態となり、2.8、永眠された。【考察】初めは、AFPが高値であったことから、HCCが疑われたが、CT、PETからは、総胆管嚢腫を伴った胆管癌の多発肝転移と考えられた。病理診断は、低分化癌であり、免疫染色で腫瘍細胞のAFPは陽性、CEAは陰性であった。今回、先天性総胆管嚢腫を伴ったAFP産生胆管癌の貴重な一例を経験したので報告する。
索引用語 胆管癌, AFP産生