セッション情報 一般演題

タイトル 52:

膵頭十二指腸切除後に薬剤性肺障害を来たした2症例

演者 八木 亜記(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター)
共同演者 水谷 聡(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 星野 有哉(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 山岸 征嗣(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 豊田 哲鎬(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 前島 顕太郎(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 小峯 修(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 吉野 雅則(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 尾形 昌男(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 渡辺 昌則(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 徳永 昭(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター), 田尻 孝(日本医科大学 外科)
抄録 膵頭十二指腸切除は消化器外科手術の中で、その煩雑さ、侵襲の大きさが最も際立った手術である。耐糖能異常の合併もあり、各種合併症を来たし易く、Mortalityも数%にのぼる。当然、治療的、予防的目的に各種の薬剤の投与を要することになる。今回、それら薬剤による二次性の肺障害を来たした2症例を経験した。術後合併症との鑑別にも苦慮した。症例1:79歳、女性。膵頭部癌にて膵頭十二指腸切除術施行。経過順調で食事も全粥摂取可能であった。軽度の炎症反応が持続していたため、ミノマイシンの内服を開始したところ、発熱を認めた。その後、呼吸状態の悪化、肺野の異常陰影が出現した。血液検査にて好酸球の増加を認め、薬剤による好酸球性肺炎と診断した。ステロイド治療にて軽快した。症例2:69歳、女性。術前化学療法を施行した患者に膵頭十二指腸切除術を行った。術後、易感染性によるMRSA肺炎、真菌性肺炎を来たし、各種抗菌剤を使用した。術後二週間で発熱に引き続きARDSを来した。前後の使用薬剤の検討や肺X線検査の所見により薬剤による特発性器質化肺炎と診断し、ステロイド治療にて軽快した。 今回、侵襲の大きな手術後に発生した比較的稀な肺疾患を経験したので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 膵頭十二指腸切除, 薬剤性肺障害