セッション情報 | 要望演題12 「内視鏡医の教育・トレーニング」 |
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タイトル | 当センターにおけるレジデント(後期研修医)への内視鏡検査教育 |
演者 | 中原 和之(熊本地域医療センター・ヘルスケアセンター) |
共同演者 | 堤 英治(熊本地域医療センター・ヘルスケアセンター), 宮本 英明(熊本地域医療センター・ヘルスケアセンター), 山之内 健伯(熊本地域医療センター・ヘルスケアセンター), 上田 城久朗(熊本地域医療センター・ヘルスケアセンター), 陣内 克紀(熊本地域医療センター・ヘルスケアセンター), 田村 文雄(熊本地域医療センター・ヘルスケアセンター), 清住 雄昭(熊本地域医療センター・ヘルスケアセンター), 明石 隆吉(熊本地域医療センター・ヘルスケアセンター) |
抄録 | 【背景】レジデントの時期は、内視鏡医にとって最も基本となる技術を学ぶ重要な時期であるが、現行の研修制度となり、トレーニングにおける時間的制約などの問題点が指摘されている。アニマルトレーニングやシミュレーションシステムでの教育ができる施設は限られており、現状では市中病院での実地トレーニングが主流である。【目的】当センターは病床数227床の市中中規模病院であり、GF2968件、CF2045件、ERCP764件(2008年)とERCP検査数が多く、完全紹介型病院であることが特徴である。当センターでの後期研修医への内視鏡教育について検討し、市中病院における内視鏡教育の現状と課題を明らかにする。【対象、方法】対象は2007~2008年度に当センターで内視鏡研修中の卒後3年目以降のレジデント2名(レジデントA;経験1年、レジデントB;経験2年)であり、CF、ERCPなどの習得が主な研修目標である。トレーニングは指導医によるHands-on trainingを当センター独自のカリキュラムに則り施行している。CFは軸保持短縮法を基本とし、10分以内で80%以上S状結腸通過ができるようになってからtotal CFを、80%以上total CFが確実にできるようになってからpolypectomyなどの治療内視鏡を開始している。ERCPは見学、助手の経験を経てから実際のスコープ操作を開始する。乳頭の正面視を5分以内、カニュレーションは10分以内とし、成功率80%以上(症例数で約200例)となってからESTのトレーニングは開始している。検討項目は、主なトレーニング目標であるCFとERCPについて、1) 検査経験数および検査成功率、2) 偶発症についてretrospectiveに検討し、現在のトレーニング法の妥当性・問題点を検証した。【結果】レジデントAはCF検査数;283件、totalCF率96%, ERCP検査数;59件、胆管挿管成功率50.0%であり、偶発症は経験していなかった。レジデントBはCF検査数;738件、totalCF率100 %、ERCP検査数;130件、胆管挿管成功率77.8%であり、偶発症として1例重症膵炎を経験した。【結語】現在の教育法により、現行のレジデント制度下においてもCFの習得は十分可能であるが、ERCPの習得には研修期間の延長などの対策が必要と考えられる。 |
索引用語 | 内視鏡教育, ERCP |