セッション情報 一般演題

タイトル

術後20年目に再発した進行胃癌の1剖検例

演者 河邉 毅(独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 消化器科)
共同演者 良永 雅弘(独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 消化器科), 多喜 研太郎(独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 消化器科), 加来 豊馬(独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 消化器科), 山下 晋作(独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 消化器科), 鶴田 悟(独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 消化器科), 吉川 康二(独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 臨床検査部), 中村 和彦(九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学講座), 酒井 浩徳(独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 消化器科), 武藤 庸一(独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 心臓血管外科)
抄録 症例は67歳の女性で、1986年7月に胃癌のため幽門側胃切除術と術後補助化学療法を施行された。病理診断は、低分化腺癌+印環細胞癌, mp, INFγ, ly2, v0, n2, StageIIIAであった。2005年11月より、左頚部リンパ節腫脹を主訴に来院し、左頚部リンパ節と左乳突洞の生検で、低分化腺癌+印環細胞癌を認めた。全身腫瘍検索を施行するも、生検部位と腰椎L5に転移巣を認めるのみで、原発巣は認めず、胃癌のリンパ節、骨転移再発と診断し、2006年3月より化学療法を開始した。S-1+CDDPを1クール行った後は、外来S-1単独療法施行。その後、小康状態を保っていたが、2007年8月の11クール目より、CA19-9の上昇を認め、11月に入院精査したところ、左乳突洞の転移巣から左小脳半球への浸潤を認めたため、サイバーナイフ治療を施行。さらに、2008年1月、L5の転移巣に対し、放射線治療を施行。その後も、化学療法を継続したが、骨髄抑制から汎血球減少を来たし、4月に硬膜下膿瘍、DICを合併して死亡した。病理解剖では、腰椎に低分化腺癌+印環細胞癌の転移巣を認め、脳以外の全身臓器を検索したが、原発巣は認めなかった。手術標本、再発時の生検標本、剖検時の転移巣、いずれの組織像もよく類似していた。以上の経過から、本症例は、進行胃癌術後20年目に再発を起こしたものと考えられ、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 胃癌, 再発