セッション情報 一般演題

タイトル

非硬変肝NASHに肝細胞癌を発症し、約2年間無治療で経過をみた一例

演者 首藤 充孝(有田 胃腸病院)
共同演者 阿部 寿徳(有田 胃腸病院), 田島 正晃(有田 胃腸病院), 白下 英史(有田 胃腸病院), 坂東 登志雄(有田 胃腸病院), 寺尾 英夫(有田 胃腸病院), 有田 毅(有田 胃腸病院), 兒玉 雅明(大分大学医学部消化器内科), 村上 和成(大分大学医学部消化器内科), 藤岡 利生(大分大学医学部消化器内科)
抄録 症例は64歳、男性。身長171cm、体重66kg、BMI22.2%。機会飲酒程度。高血圧・糖尿病・高脂血症の既往があり、内服治療中であった。血液検査では、HBS抗原陰性・HCV抗体陰性であった。42歳時、腹腔鏡下肝生検にて脂肪肝と診断されている。56歳時、脂肪肝に対し肝生検施行され、NASHと診断された。当院初診時の64歳時、肝S2、S5に腫瘍性病変を認めた。S2はHCCとして、PEIT、TACEにて治療したが、S5病変は腹部エコーにて内部均一な高エコーとして描出され、血管腫様の所見を呈しており、造影CT・血管造影検査にてHCCとしての特徴的所見は認められず、また、腫瘍生検にて悪性所見認められず、非癌部の組織は F2A1程度であった。肝S5病変は約2年間、増大傾向なく経過観察としていた。66歳時、PIVKA2上昇傾向となり、腹部エコーで、肝S5の病変は、中心部低エコー周辺部高エコーと変化し、この時点で肝細胞癌と診断した。肝部分切除術施行され、腫瘍は高分化型肝細胞癌であった。S5の病変は腺腫からの癌への脱分化の可能性も考えられた。
索引用語 NASH, 肝炎