セッション情報 | 研修医発表 |
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タイトル | シングルバルーン内視鏡にて診断し得た若年型小腸GISTの1例 |
演者 | 小林 和哉(春回会 井上病院 消化器内科) |
共同演者 | 三嶋 亮介(春回会 井上病院 消化器内科), 西山 高志(春回会 井上病院 消化器内科), 鹿島 清隆(春回会 井上病院 消化器外科), 野中 良和(春回会 井上病院 消化器外科), 井上 健一郎(春回会 井上病院 消化器内科), 牧山 和也(春回会 井上病院 消化器内科), 関根 一郎(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 附属原爆後障害医療研究施設 放射線障害解析部門 腫瘍・診断病理学研究分野), 中島 正洋(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 附属原爆後障害医療研究施設 放射線障害解析部門 腫瘍・診断病理学研究分野), 田場 充(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 附属原爆後障害医療研究施設 放射線障害解析部門 腫瘍・診断病理学研究分野), 中山 敏幸(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 附属原爆後障害医療研究施設 放射線障害解析部門 腫瘍・診断病理学研究分野) |
抄録 | 【症例】24歳 女性【現病歴】モンゴル出身。平成19年10月、23歳時に大学院留学のため来日した。以前より月経不順、子宮筋腫を指摘されていたが特に加療はされていない。今回歩行時のふらつきを主訴に平成20年11月21日当院内科外来受診。採血にてHb5.8g/dlの貧血があり、直腸診にて黒色便を認めたため精査加療目的に入院となった。【入院後経過】腹部エコー、腹部単純・造影CT、骨盤MRIにて可動性のある約6cm大の、小腸と連続性のある腫瘤性病変を認めた。腫瘍は境界明瞭で辺縁は分葉状を呈していた。小腸造影では空腸中部に、頂上に潰瘍を有する平滑な腫瘤を認めた。小腸内視鏡(シングルバルーン小腸内視鏡)では空腸中部に30mm大ほどの粘膜下腫瘍を認め、腫瘍表面に大小の潰瘍が存在していた。潰瘍部から生検を施行したところ、紡錘型細胞の錯綜から成る増殖性病変を認め、免疫染色でc-kit陽性であったため、GIST(gastrointestinal stromal tumor)の診断に至った。平成20年12月24日当院外科にて腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した。切除標本では腫瘍径9cm、病理診断は空腸GIST、断端陰性、リンパ節転移なし、c-kit++、CD34-、mitosis3/10HPF(MIB-1 index:10-15%)であった。術後経過は良好で平成21年1月9日退院。High risk GISTの診断となったため、現在イマチニブにてアジュバント治療を行っている。【考察】GISTは消化管の中胚葉由来の間葉系腫瘍(GIMT)の80%を占める腫瘍である。発生頻度は10万人に1~2人程度とされ、比較的まれな消化管腫瘍であり、GISTの治療時点での平均年齢は60歳前後の報告が多い。今回我々はシングルバルーン小腸内視鏡で診断し得た若年型小腸GISTの1例を経験したので、文献的考察を交えて報告する。 |
索引用語 | GIST, 小腸内視鏡 |