セッション情報 一般演題

タイトル

microscopic colitisの4例

演者 藤原 利成(社団法人八日会 藤元早鈴病院 消化器科)
共同演者 迫田 敏(社団法人八日会 藤元早鈴病院 消化器科), 駒田 直人(社団法人八日会 藤元早鈴病院 消化器科), 藤本 登四郎(社団法人八日会 藤元早鈴病院 消化器科), 井上 輝彦(社団法人 八日会 大悟病院 病理診断室), 田原 良博(宮崎大学医学部付属病院 第2内科), 山本 章二朗(宮崎大学医学部付属病院 第2内科), 下田 和哉(宮崎大学医学部付属病院 第2内科)
抄録 【はじめに】microscopic colitis(MS)とは水溶性下痢を主症状とし,内視鏡および注腸所見では異常を認めず,顕微鏡的に異常を認める疾患と定義されている.今回,MCのうちcollagenous colitis(CC)3例とlymphocytic colitis(LC)疑い1例を経験したので報告する.【症例1】84歳,女性. GERDの診断でomeprazoleの定期内服を開始し,その後,嚥下障害のためlansoprazole OD錠に変更していた.約5年後に水様性下痢を認め始め,止痢剤を使用しても改善を認めなかった.下部消化管内視鏡検査(CF)では明らかな異常所見を認めなかったが,横行結腸の軽度発赤部の生検よりCCと診断した.lansoprazoleを中止し,下痢症状は改善した.【症例2】81歳,女性.変形性関節症に対してNSAIDを内服していた.2007年よりNSAID潰瘍の予防にlansoprazoleの定期内服を開始した.約1年後,便潜血陽性に対するCF精査で,上行からS状結腸にかけて散在的に浮腫状の粗造粘膜を認めた.同部位の生検でCCと診断された.【症例3】76歳,男性.両肩及び手指疼痛を伴う多発筋炎の疑いでNSAIDを内服していた.約1年後,CFでRsに陥凹を伴う発赤部を認めた.同部位の生検で上皮下に局所的なコラーゲンの沈着を認め,CCが疑われた.【症例4】75歳,女性.元来便秘症で硫酸マグネシム,センノシド錠を内服していた.2003年GERDの診断でlansoprazoleの定期内服を開始した.約3年後,水様性下痢症状を認め始め,硫酸マグネシム,センノシド錠を中止したが改善を認めなかった.CFでは上行及び横行結腸の一部に血管透過性の低下を認めた.同部位の生検で上皮下に著名なリンパ球浸潤を認め,LCが疑われた.【まとめ】3例のCC及び1例のLC疑いを経験した. 原因薬剤としてlansoprazoleまたはNSAIDが疑われた.若干の考察を加えて報告する.
索引用語 microscopic colitis, collagenous colitis