セッション情報 | 要望演題2 「早期胃癌の治療方針 -ESD・腹腔鏡手術の適応と限界-」 |
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タイトル | 当院における腹腔鏡補助下幽門側胃切除術と腹腔鏡補助下胃全摘術の適応と現状 |
演者 | 山本 学(広島赤十字・原爆病院 外科) |
共同演者 | 松山 歩(広島赤十字・原爆病院 外科), 太田 光彦(広島赤十字・原爆病院 外科), 田川 哲三(広島赤十字・原爆病院 外科), 辻田 英司(広島赤十字・原爆病院 外科), 山下 洋市(広島赤十字・原爆病院 外科), 岡崎 仁(広島赤十字・原爆病院 外科), 筒井 信一(広島赤十字・原爆病院 外科), 石田 照佳(広島赤十字・原爆病院 外科) |
抄録 | 【目的】当院における腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)および腹腔鏡補助下胃全摘術を検討し、さらなる向上を目指して報告する。【方法】2007年4月より2009年3月まで、早期胃癌に対してLADGを17例と腹腔鏡補助下胃全摘術2例に施行した。2006年1月より2007年3月までに早期胃癌にて開腹胃切除術を施行した34例と手術時間、出血、在院日数および術後炎症反応を比較検討した。尚、腹腔鏡補助下胃全摘術は経口アンビルを使用した。【結果】LADGおよび腹腔鏡補助下胃全摘術を施行した症例の術後合併症は、吻合部潰瘍1例(5.3%)、SSI 1例(5.3%)、縫合不全1例(5.3%)に対し、開腹手術症例では、SSI 2例(2.9%)、嚥下性肺炎1例(2.9%)、胆嚢炎1例(2.9%)であった。手術時間は、腹腔鏡補助下手術で平均281±67分に対し、開腹手術では平均225±71分であり、腹腔鏡補助下手術にて有意に手術時間が長かった(p<0.01)。出血量は、腹腔鏡下手術で平均229±219mLに対し、開腹手術では平均382±298mLであった(p=0.153)。また、腹腔鏡下手術において平均在院日数は、17.4±7.2日であり、開腹手術の平均在院日数23.0±12.5日より短かった(p=0.096)。術後の1、3、7日目の白血球数とCRP値を両群で比較すると腹腔鏡補助下手術では、術後1、3日目のCRP値が5.2±2.8と8.7±4.4に対し、開腹手術では7.5±2.3と12.1±5.3と有意に腹腔鏡補助下手術において低値を示した(p<0.01;p<0.05)。尚、手術のビデオを供覧する。【結語】今回の検討で、当院における腹腔鏡補助下胃切除術は、ある程度満足のゆく成績であった。現在、腹腔鏡補助下胃切除術は、早期胃癌症例で行ってきた。今後は、術前リンパ節転移を認めないT2以下の症例にて検討してゆきたい。 |
索引用語 | 胃, 腹腔鏡 |