セッション情報 一般演題

タイトル

上行結腸癌を合併した早期十二指腸副乳頭部癌の1例

演者 尾崎 徹(済生会熊本病院消化器病センター)
共同演者 浦田 淳資(済生会熊本病院消化器病センター), 須古 信一郎(済生会熊本病院消化器病センター), 江口 洋之(済生会熊本病院消化器病センター), 今村 治男(済生会熊本病院消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院消化器病センター), 大熊 利之(済生会熊本病院消化器病センター), 金光 敬一郎(済生会熊本病院消化器病センター), 神尾 多喜浩(済生会熊本病院消化器病センター)
抄録 76歳男性。40年前に直腸癌、5年前に胃癌の既往あり。平成20年4月、近医にてスクリーニングのために上部消化管内視鏡検査を施行したところ、十二指腸第2部に隆起性病変を認め、生検にて腺癌と診断されたため当院紹介となる。内視鏡検査および低緊張性十二指腸造影では、病変は十二指腸副乳頭部に15mm大の乳頭状隆起性病変として認められ、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)では副膵管開口部の途絶所見を認めたことから、副乳頭部癌と診断した。超音波内視鏡検査にて腫瘍は十二指腸固有筋層の近くまで達しており、粘膜下層への浸潤が疑われた。また、胸腹部造影CT検査では明らかな転移は認められなかったものの、上行結腸の壁肥厚を認め、大腸内視鏡検査にて同部に1型大腸癌の存在を確認した。いずれの癌も手術適応と判断し、平成20年6月26日に膵頭部十二指腸切除および回盲部切除を施行した。切除標本では、副乳頭開口部に径15×13mmの腫瘤露出型の腫瘍を認めた。病理組織学的には高分化腺癌であり、術前の超音波内視鏡検査の通り、粘膜下層(sm2)までの浸潤でとどまっていた。なお、脈管侵襲および転移は認められなかった。われわれが検索し得た限りでは十二指腸副乳頭部癌の本邦報告例は4例しかなく、文献的考察を加え報告する。
索引用語 十二指腸副乳頭部腫瘍, 副乳頭部癌