| セッション情報 | 要望演題9 「B型肝炎治療の長期経過と問題点」 |
|---|---|
| タイトル | 核酸アナログ治療後3年以上経過した症例の解析 |
| 演者 | 釈迦堂 敏(福岡大学 医学部 消化器内科DELIMITER福岡大学 医学部 ウイルス性肝炎・肝癌先進医療研究講座) |
| 共同演者 | 櫻井 邦俊(福岡大学 医学部 消化器内科), 猪俣 慎二郎(福岡大学 医学部 消化器内科), 上田 秀一(福岡大学 医学部 消化器内科), 森原 大輔(福岡大学 医学部 消化器内科DELIMITER福岡大学 医学部 ウイルス性肝炎・肝癌先進医療研究講座), 横山 圭二(福岡大学 医学部 消化器内科), 西澤 新也(福岡大学 医学部 消化器内科DELIMITER福岡大学 医学部 ウイルス性肝炎・肝癌先進医療研究講座), 阿南 章(福岡大学 医学部 消化器内科DELIMITER福岡大学 医学部 ウイルス性肝炎・肝癌先進医療研究講座), 竹山 康章(福岡大学 医学部 消化器内科), 入江 真(福岡大学 医学部 消化器内科), 岩田 郁(福岡大学 医学部 消化器内科), 坂本 雅晴(福岡大学 医学部 消化器内科DELIMITER福岡大学 医学部 ウイルス性肝炎・肝癌先進医療研究講座), 早田 哲郎(福岡大学 医学部 消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学 医学部 消化器内科DELIMITER福岡大学 医学部 ウイルス性肝炎・肝癌先進医療研究講座) |
| 抄録 | 目的:B型慢性肝炎に対する治療として、2000年11月より核酸アナログであるラミブジンの使用が可能となった。現在では、アデフォビル、エンテカビルの使用も可能となり治療選択肢も増えている。今回、当科において、3年以上の核酸アナログ長期投与例の解析を行い、核酸アナログ治療の有用性を検証する。対象と方法:B型慢性肝炎あるいはB型肝硬変に対する治療としてラミブジンを投与され、3年以上経過観察が可能であった79例を対象とし、ラミブジン開始後のALT正常化率、HBe抗体出現率、血清HBV DNA陰性化率を検討した。また、ラミブジン耐性ウイルス出現率の検討も行った。さらに、耐性ウイルスによる肝炎再燃におけるアデフォビルの治療が開始された36例におけるALT正常化率、HBe抗体出現率、血清HBV DNA陰性化率も検討した。結果:ラミブジン治療79例の解析:ALT正常化率は3、4、5、6年でそれぞれ、48.3%、49.2%、36.4%、31.0%であった。HBV DNA陰性化率は、3、4、5、6年でそれぞれ、41.8%、39.7%、31.8%、34.5%であった。ラミブジン治療症例79例のうちHBe抗原陽性例は54例であり、この群のセロンバージョン率は3、4、5、6年でそれぞれ、33.3%、30.2%、22.6%、26.1%であった。ラミブジン耐性ウイルスによる肝炎再燃にアデフォビルが併用された36例の解析:ラミブジン、アデフォビル併用群のALT正常化率は1、2、3、4年でそれぞれ、47.2%、60.9%、78.6%、80.0%であった。HBV DNA陰性化率は、47.2%、69.6%、92.9%、90.0%であった。HBe抗原陽性25例のセロコンバージョン率は、1、2、3、4年でそれぞれ、12.0%、33.5%、66.7%、87.5%であった。考察:B型慢性肝疾患に対するラミブジン治療では、耐性ウイルスによる肝炎再燃率が高いが、アデフォビル併用により肝炎の沈静化が可能である。 |
| 索引用語 | B型慢性肝炎, 核酸アナログ |