セッション情報 一般演題

タイトル

肝狙撃生検により退形成膵管癌の肝転移と考えられた一例

演者 火野坂 淳(熊本セントラル病院消化器内科DELIMITER久留米大学内科学講座消化器内科部門)
共同演者 鈴木 飛鳥(熊本セントラル病院消化器内科DELIMITER久留米大学内科学講座消化器内科部門), 坂井 慈実(熊本セントラル病院消化器内科DELIMITER久留米大学内科学講座消化器内科部門), 山田 慎吾(熊本セントラル病院消化器内科DELIMITER久留米大学内科学講座消化器内科部門), 福永 秀平(熊本セントラル病院消化器内科DELIMITER久留米大学内科学講座消化器内科部門), 増田 篤高(熊本セントラル病院消化器内科DELIMITER久留米大学内科学講座消化器内科部門), 南野 隆一(熊本セントラル病院消化器内科DELIMITER久留米大学内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門)
抄録 症例は62歳男性、上腹部痛を主訴に当院受診。腹部CTにて膵頭部にhypovasucularな腫瘤を認め、肝左葉にring like enhancementを示す転移性腫瘍を認めた。組織型決定のため、肝狙撃生検を施行し、大型で異型な核を有する腫瘍細胞や紡錐形細胞の腫瘍細胞の増殖を認め、多核の巨細胞も認めた。免疫染色にてEMA陽性、ビメンチン陰性、LCA陰性であり、退形成性膵癌の肝転移と考えられた。Gemcitabine+TS-1による全身化学療法を開始したが、投与後4日目より全身性の紅斑、口腔内白苔を認めたためGemcitabine投与中止した。TS-1のみ投与継続したが腫瘍は増大を認めた。経過中に黄疸を認め、腹部CT、MRCPにて下部総胆管および肝門部に腫瘍の圧排によるものと思われる狭窄を認めた。内視鏡下でのドレナージ、ステント挿入を試みたが、十二指腸の変形が強くカニュレーション不能であった。PTCDを行い経皮的に減黄を行なったが、徐々に全身状態は悪化を認め約16ヶ月の経過の後永眠された。【結語】腫瘍生検にて確定診断された退形成性膵管癌の1例を経験した。退形成性膵癌は非常にまれな疾患であり、平均生存期間は2~5ヶ月と極めて予後不良とされる。本症例は退形成性膵管癌に特徴的な画像所見を示し、肝臓への転移を伴っているため、同部位からの腫瘍生検が診断に有用であった。TS-1単独での化学療法を行なったが、画像所見上腫瘍の増大は軽度であり、TS-1投与が有効であった可能性が考えられた。
索引用語 退形成膵管癌, 肝転移