セッション情報 一般演題

タイトル

Stage IV胃癌に対する抗癌剤治療の変遷

演者 奥山  稔朗(福岡市民病院 外科)
共同演者 枝川 愛(福岡市民病院 外科), 是永 大輔(福岡市民病院 外科), 合志 健一(福岡市民病院 外科), 原田  昇(福岡市民病院 外科), 川中 博文(福岡市民病院 外科), 池田 泰治(福岡市民病院 外科), 坂田   敬(福岡市民病院 外科), 江口 大彦(福岡市民病院 外科), 川崎 勝己(福岡市民病院 外科), 竹中 賢治(福岡市民病院 外科)
抄録 【目的】新規抗癌剤レジメンの確立と適用により、切除不能胃癌治療の選択肢が広がってきた。今回、適用抗癌剤の時代的変化に応じて予後を解析し、Stage IV胃癌に対する癌化学療法の進歩を明らかにした。【対象と方法】過去17年間に経験したStage IV胃癌100例を前期(1989~98、 51例)、中期(1999~2002、25例)、後期(2003~05、24例)に分類し、各期間の予後および臨床病理学的因子・治療法を比較した。【結果】1.全体の前、中、後期の3生率は13.7、16.0、12.0%、平均生存期間は564、508、533日であり、予後に差を認めなかった。2.次に、根治度C症例および非切除例(試験開腹例+緩和手術例+非開腹例)を併せた症例の予後を各期間で比較した。症例数は37、14、19例で、その平均生存期間は250、173、489日であり、後期において有意に良好であった(p<0.01)。3.各期間の使用抗癌剤をみると、前期ではUFT、MTX+5FU、中期ではTS1、CDDPの使用が中心で、後期にはさらにタキサン系、CPT-11などの新規薬剤の併用が増加していた(p<0.01)。4.後期の根治度C症例および非切除例を詳細に解析したところ、新規薬剤のうちタキサン系使用群(n=7)の予後が非使用群(n=12)に比して明らかに良好であった(p<0.05)。5.さらに多変量解析を行ったところ、新規抗癌剤使用の有無は、独立した予後因子であることが判明した。(p<0.01)。【結語】抗癌剤の変遷に伴い、 StageIV胃癌のうち、根治度C症例および非切除症例の生存期間が延長した。タキサン系をはじめとする新規抗癌剤が、切除不能進行胃癌の、予後の改善に寄与することが明らかとなった。
索引用語 胃癌, 抗癌剤治療