セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 胆道内発育型肝細胞癌の1例 |
演者 | 和田 幸之(国立病院機構 九州医療センター 肝胆膵外科・臨床研究部) |
共同演者 | 高見 裕子(国立病院機構 九州医療センター 肝胆膵外科・臨床研究部), 楠元 英次(国立病院機構 九州医療センター 肝胆膵外科・臨床研究部), 立石 昌樹(国立病院機構 九州医療センター 肝胆膵外科・臨床研究部), 才津 秀樹(国立病院機構 九州医療センター 肝胆膵外科・臨床研究部), 境 昌宏(同 放射線科), 安森 弘太郎(同 放射線科), 桃崎 征也(同 病理部) |
抄録 | 肝細胞癌(以下HCC)が胆管内に発育する胆道内発育型HCCは比較的まれな病態である。今回我々はこの胆道内発育型HCCを経験したので報告する。 【症例】61才、女性。【主訴】上腹部痛、黄疸、発熱。 【現病歴】08年9月発熱、上腹部痛を認め某医受診したが、10月精査目的で某病院紹介。入院精査にて肝左葉の5cmの胆管細胞癌が左右肝管合流部から総肝管まで浸潤し、肝門部及び膵背部リンパ節転移疑いと診断され、ステントを留置された。11月セカンドオピニオンにて当科紹介された。 【入院時検査成績】alb. 4.0、T.B 1.3、AST 27、ALT 13、PT 88%、ICGR15 10%、PLT 23.4、ヒアルロン酸 63、AFP 92.5、L3分画0.5%、PIVKA-II 603、HBs-Ag(-)、HBs-Ab(+)、HBeAg(-)、HBe-Ab(+)、HBc-Ab(+)、HCV(-)、IgG4 112 【各種画像診断】CTでは外側区域に56×44mmの境界不明瞭な腫瘤と左葉の肝内胆管の拡張を認め、総肝動脈腹側に16×15mm、背側に10×9mmのリンパ節腫大。MRCPでは外側区域の腫瘤によりB2、B3は圧排進展され、左肝管も起始部がわずかに描出。右及び総胆管壁はスムースで狭窄ない。以上よりリンパ節転移(疑)を伴った胆道内発育型HCCと診断し、肝左葉切除+MCN+胆嚢摘出+左肝管断端より総胆管内の腫瘍栓及び血塊とステントチューブを摘出+腫大リンパ節摘出を施行した。【病理組織診断】中分化型HCC(vp1、vv0)で、摘出したリンパ節には転移は認められなかった。 【まとめ】外側区域に発生したHCCが胆道内に発育し閉塞性黄疸をきたした1例を報告した。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 胆道内発育型肝細胞癌 |