セッション情報 |
要望演題4 「進行・再発大腸癌に対する治療戦略」
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タイトル |
当院における再発進行大腸癌に対するcetuximabの使用経験
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演者 |
犬塚 貞明(社会保険 仲原病院 外科) |
共同演者 |
木村 和恵(社会保険 仲原病院 外科), 吉田 康洋(社会保険 仲原病院 外科), 松田 裕之(社会保険 仲原病院 外科) |
抄録 |
近年における大腸癌に対する薬物療法は急速な進歩を遂げており、特に分子標的薬については本邦でも2007年6月にbevacizumabが、2008年9月にはcetuximabがそれぞれ承認販売開始となり、さらなる治療効果の改善が期待されている。当院においても抗癌剤との併用を開始しており、今回、その使用経験に文献的考察を加えて報告する。 症例は切除不能な高度進行直腸癌2例と切除後肺肝転移再発例1例で、いずれもEGFR陽性であり、切除不能2例はいずれも膀胱浸潤と多発肝転移を伴っていた。前治療としてFOLFOXは全症例で行われており、切除不能であった2例についてそれぞれFOLFOXあるいはFOLFIRIとbevacizumabとの併用治療を行い、PDとなったためcetuximabとirinotecanとの併用療法を行った。いずれも皮膚障害など重篤な有害事象は認められなかったが2クール目の終了後に病状進行し原疾患への治療を断念せざるを得ず、緩和治療のみとなった。 切除後肺肝転移再発例の1例はFOLFIRIとの併用で、2週目の投与後より特徴的な皮膚の発疹を上半身を中心に認めgrade 3となったためcetuximabを休薬した。皮膚障害はステロイドとワセリン外用にて軽減し、血液毒性などその他の有害事象は認められないため、3週後に再開したところ画像上は肺転移巣に変化なく(SD)腫瘍マーカー(CEA)の低下をきたしており、現在も治療継続中である。 EGFR陽性の進行直腸癌3例に対して3rd-lineとしての化学療法としてcetuximabを併用したirinotecanを含む抗癌剤治療を行った。特徴的な皮疹をきたした1例は一定の効果が得られたが、皮膚症状を伴わなかった2例は奏効しなかった。 |
索引用語 |
cetuximab, 抗癌化学療法 |