セッション情報 一般演題

タイトル

カプセル内視鏡にて小腸病変を評価しえたCronkhite-Canada症候群の2例

演者 二宮 風夫(福岡大学 筑紫病院 消化器科)
共同演者 岸 昌廣(福岡大学 筑紫病院 消化器科), 高津 典孝(福岡大学 筑紫病院 消化器科), 別府 孝浩(福岡大学 筑紫病院 消化器科), 長濱 孝(福岡大学 筑紫病院 消化器科), 平井 郁仁(福岡大学 筑紫病院 消化器科), 津田 純郎(福岡大学 筑紫病院 消化器科), 松井 敏幸(福岡大学 筑紫病院 消化器科), 眞武 弘明(またけ胃腸科内科クリニック), 頼岡 誠(佐田病院)
抄録 症例1は50歳代の男性。味覚異常、水様性下痢、体重減少、脱毛を認め近医を受診し、下部消化管内視鏡検査にてCronkhite-Canada症候群(CCS)を疑われ、精査加療目的で当科に紹介入院。上・下部内視鏡検査及び病理組織検査にてCCSと確定診断した。経肛門的ダブルバルーン内視鏡検査(DBE)では、小腸粘膜は全体に浮腫状で、中部小腸から回腸末端にかけて発赤調の小隆起性病変が多発し、肛門側ほど多発傾向を認めた。カプセル内視鏡検査(VCE)では、上部小腸から中部小腸にかけて白色調の絨毛が腫大・延長しイソギンチャク様の外観を呈していた。下部小腸の粘膜はイクラ状の外観を呈していたが、ポリープは指摘できなかった。症例2は70歳代の女性。食欲低下、下痢、血便、脱毛を認め近医を受診し、下部消化管内視鏡検査にてCCSを疑われ、精査加療目的で当科に紹介入院。上・下部内視鏡検査及び病理組織検査にてCCSと確定診断した。DBEでは回腸粘膜は粗造で絨毛の腫大を認めた。所見は下部回腸で高度であり、回腸末端では発赤調の顆粒状粘膜を認めた。VCEでは上部小腸にイソギンチャク様の絨毛腫大・延長と浮腫状の粘膜を認め、DBEと同様に所見は下部回腸で高度であった。我々が検索しえた限りでは、VCEを用いてCCSの小腸評価を行った報告は海外で1例を確認しえたのみであり、今回我々が経験した2例ともに報告に合致するものであった。今回VCEを用いて2例のCCSの小腸病変を評価しえたため、その特徴的所見について報告する。
索引用語 カプセル内視鏡, Cronkhite-Canada症候群