セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 長期生存にて胃静脈瘤破裂をきたした進行膵癌の1例 |
演者 | 山口 裕也(国立病院機構 小倉医療センター 消化器内科DELIMITER国立病院機構 小倉医療センター 臨床研究部) |
共同演者 | 澄井 俊彦(国立病院機構 小倉医療センター 消化器内科DELIMITER国立病院機構 小倉医療センター 臨床研究部), 李 倫学(国立病院機構 小倉医療センター 消化器内科DELIMITER国立病院機構 小倉医療センター 臨床研究部), 山縣 元(国立病院機構 小倉医療センター 消化器内科DELIMITER国立病院機構 小倉医療センター 臨床研究部), 阿部 光市(国立病院機構 小倉医療センター 消化器内科DELIMITER国立病院機構 小倉医療センター 臨床研究部), 熊谷 好晃(国立病院機構 小倉医療センター 消化器内科DELIMITER国立病院機構 小倉医療センター 臨床研究部), 國吉 政美(国立病院機構 小倉医療センター 内科DELIMITER国立病院機構 小倉医療センター 臨床研究部), 高尾 信一郎(国立病院機構 小倉医療センター 内科DELIMITER国立病院機構 小倉医療センター 臨床研究部) |
抄録 | 症例は72歳、男性。左季肋部痛と体重減少を主訴に2006年6月当科紹介となった。CTにて膵体尾部に7x4cmの腫瘤と肝両葉に最大5cmの大小多数の転移巣を認めStageIVbの膵癌と診断した。腫瘍マーカーは入院時CEA、CA19-9ともに正常値であった。同年6月30日よりGemcitabine(GEM)1600mg/bodyを投与開始。2週連投1週休を3コース継続するもCTにて肝転移巣の増大を認めたため同年9月よりS-1併用による化学療法に変更した。以後二剤併用療法を続け原発巣、転移巣ともに縮小し約2年間stable diseaseを維持できた。2008年6月のCTにて肝S3の転移巣のみ増大を認め同時にAFP高値を認めた。肝細胞癌の併存も考え同転移巣に対しTAEを実施したところAFPは正常化した。しかし同年10月になりAFPの再上昇を認め2回目のTAEを実施した。この間、同転移巣に対し針生検を行い肝細胞癌とは異なるAFP(+)の癌細胞を認め転移性肝癌と判断した。2回目TAE目的入院中の11月にHb 5.6g/dlの急激な貧血が出現し胃内視鏡検査にて胃静脈瘤の破裂が疑われた。PSE(部分的脾動脈塞栓術)にて出血予防を行い以後出血は起こらず、転移巣の増大も停止し、現在もGEM/S-1による化学療法を継続中である。診断時に膵癌による脾静脈閉塞を認めていたことから胃静脈を介した側副血行路が形成され、長期生存したことにより胃静脈瘤形成、破裂に至ったと考えられた。本症例はGEM/S-1が著効したこととTAEやPSEなど集学的治療を行うことにより長期生存が得られた貴重な症例と考え報告する。 |
索引用語 | 膵癌, 胃静脈瘤破裂 |