セッション情報 一般演題

タイトル

当院における肝細胞癌の臨床的特徴および治療経過の検討~特にB型肝細胞癌について~

演者 合志 健一(福岡市民病院 外科)
共同演者 池田 泰治(福岡市民病院 外科), 原田 昇(福岡市民病院 外科), 江口 大彦(福岡市民病院 外科), 坂田 敬(福岡市民病院 外科), 川崎 勝己(福岡市民病院 外科), 川中 博文(福岡市民病院 外科), 奥山 稔朗(福岡市民病院 外科), 是永 大輔(福岡市民病院 外科), 竹中 賢治(福岡市民病院 外科)
抄録 【はじめに】本邦における肝細胞癌はHBV感染が20%前後を占める。B型肝細胞癌の特徴とその治療経過について検討した。【対象】2002年1月~2008年12月に施行したHCC初回手術症例164例(HBV群35例(21%)、HCV群98例(60%)、NBNC群31例(19%))。【結果】1)臨床的特徴:性別はHBV群M:F=32:3・NBNC群M:F=25:6に比べ、HCV群M:F=64:34とHCV群で女性の割合が高かった。平均年齢はHBV群56.7±9.8才、HCV群66.9±7.9才、NBNC群71.4±9.6才であり、HBV群が有意に若年傾向にあった。感染経路が判明しているのは輸血:24例、刺青1例であった。肝機能はChild分類で3群間で有意差はなかった。腫瘍径はHBV群(4.0cm)・HCV群(3.5cm)でNBNC群(4.9cm)に比べ有意に小さかったが、脈管浸潤で3群間に有意差はなかった。2)治療経過と予後: HBV群の初回手術の内容は葉切除:2例、区域切除:8例、部分切除20例、MCN2例であった。HBV群35例中術後再発は15例あり、14例で再発後治療を行なった。その内訳は回数では1回:7例、2回:4例、3回以上:4例で、治療方法は外科的治療が6例(区域切除1例、部分切除2例、MCN2例、肺部分切除1例)、非外科的治療が12例(LPD10例、RFA1例、放射線治療1例)であった。抗ウィルス剤の使用は18例(術前7例、術後11例)で行われており、内10例でウィルスの陰性化を確認された。初回術後生存率は1年95%、5年88%と良好な予後であった。【結語】B型肝細胞癌は、C型に比べ男性の割合が高く、若年齢である傾向にあった。C型同様、定期的な経過観察を行っていることから早期発見されることが多い。初回手術後の再発に対しても、肝機能・再発個数に応じた集学的治療を行うことで良好な予後を得られた。
索引用語 B型肝炎, 肝細胞癌