セッション情報 研修医発表

タイトル

虫垂粘液嚢胞腺腫を先進部に腸重積を来した一症例

演者 吉屋 匠平(新日鉄八幡記念病院 外科)
共同演者 北川 大(新日鉄八幡記念病院 外科), 大峰 高広(新日鉄八幡記念病院 外科), 大田 隆司(新日鉄八幡記念病院 外科), 田中 旬子(新日鉄八幡記念病院 外科), 園田 幸生(新日鉄八幡記念病院 外科), 丸山 理一郎(新日鉄八幡記念病院 外科), 牧野 一郎(新日鉄八幡記念病院 外科), 山村 晋史(新日鉄八幡記念病院 外科), 安蘓 正和(新日鉄八幡記念病院 外科), 東 秀史(新日鉄八幡記念病院 外科)
抄録 症例は20歳男性。2日前より突然右下腹部痛が出現した。右下腹部痛が増大してきたため当院救急外来受診するも、血液検査、尿検査、腹部単純レントゲンに異常所見なく帰宅となった。その後も腹痛治まらず、翌日近医受診し、腹部CTにて腫瘤影認め腸重積を疑われたため当院紹介受診となった。血液検査に異常は認めなかったが、腹部CTでは、先進部には石灰化を伴い、内部は低吸収値の4.5cmx3.5cmの腫瘤影を認め、回盲部や終末回腸を先進部とする腸重積の所見と考えられた。下部消化管内視鏡検査では上行結腸に発赤調の正常粘膜に覆われた隆起性病変が認められた。以上より、腸重積の原因は粘膜下腫瘍であり、鑑別として粘液嚢胞腺腫、リンパ管腫が挙げられた。入院後、腹腔鏡補助下回盲部切除術施行。虫垂根部が盲腸に重積している所見を得た。病理所見は粘液嚢胞腺腫であり、リンパ節転移や浸潤所見等悪性所見は認められなかった。術後経過は大きな合併症なく良好であり、術後9日で自宅退院となった。術後5カ月の現在腹膜偽粘液腫などの再発所見は認められていない。虫垂粘液嚢胞腺腫は虫垂切除例の0.08~4.19%と比較的まれな疾患である。今回我々は腸重積を契機に虫垂粘液嚢胞腺腫を発見した1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 虫垂粘液嚢胞腺腫, 腸重積